某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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未来の物語 急

「やあ、来たよ」

 

「…………一昨日も来ませんでしたか?」

 

にこやかに笑う完全回復した状態の姿お兄様に困惑しながら、そう聞き返すと「核鉄の治癒力を借りてね。冒険したときに沢山貰ったから」と懐から七つ以上はある核鉄を見せてくれた。

 

超常の合金を操る人達に勝つのは姿お兄様の強さを考えると当たり前に感じてしまいますけど。やはりSF能力バトルに、リアルバトルの剣客が勝ってしまうのは違和感が凄すぎるのですが。

 

しかし、姿お兄様の訪問は有り難いです。

 

今日も道場に通っている左之助さん達ではなく、武藤君の継承権を獲得する間、手持ち無沙汰の津村さんを鍛えてあげることが出来るのは姿お兄様程の実力者を除いて他に数名しかいない。

 

「お兄様、ご相談があるのですが」

 

「勿論、受けるよ。妹の頼みだからね」

 

「私、姿お兄様のそういう即決で聞いてくれる性格好きですよ。では、私の言う道場にいる女の子を鍛えて欲しいのですがお願いできますか?」

 

「任せたまえ!日本で二番目に強くしよう!」

 

一番は左之助さんですからね。

 

「勿論、一番は僕だけどね!」

 

「お兄様、妄言は止めて下さい」

 

一瞬で消えた様に走っていく姿お兄様を見送りつつ、パリパリと私の後ろでお煎餅を食べている本条さんと沢下条さんにどうやって言い訳しましょうか。

 

「アレが日本最強の一角とは思えんわな」

 

「あら、見た目は好みよ?それに一日限定の『即席娘溺泉』を売ってくれたし。あーっ、中国旅行に行くのが楽しみになってきたわ♪︎」

 

「アッチの刀剣も気になるけど。ワイとしては鎌足が女になっても見た目が変わらんかったんが、ホンマに不思議で仕方ないんやけど?」

 

「乙女の魅力は性差を超えるのよ♥」

 

「さよか。で、姐さんはワイらが見とるのに敵さんに頼み事したわけやけど。どうすんの?」

 

沢下条さんの問い掛けにしとりと左之助さんのマフラーや手袋を編んでいた手を止めて、ゆっくりと寝そべってしとりに背中を踏んで貰っている彼を見る。

 

しとりの体重で按摩に効くのかしら?

 

「特に何もしません。左之助さん達も道場に居ますから、そのまま捕まってくれれば事情聴取を受けて、お二人と同じように玄関から入ってきても問題なく会えると考えての行動です」

 

「ワイら、これでも極悪人なんやけど」

 

「フフ、張もお友達に認定されたわね」

 

「ワイは悪いおじさんやのになあ…」

 

「ん!ちょー、いいやつ!」

 

まあ、しとりに背中から腰の辺りを踏まれて堕落しきったダミ声を出す今の沢下条さんは、親戚の子供にマッサージを受けているオジサンそのものですよ。

 

 

 

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