某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

236 / 1066
相楽家と異號 序

左之助さんとしとり、個魔の方と一緒にお買い物をしていると剣客兵器の部隊将を務める凍座白也と姿お兄様が甘味処でお団子を食べていた。

 

まあ、向こうもお休みがあるんでしょう。

 

「やあ、景。買い物かい?」

 

「……姿お兄様、時と場合を考えて下さい」

 

「それは無理だね。大事な妹を目にした兄は話し掛けずにはいられないんだ。白也、今回は戦わずに大人しくしていてくれるか?」

 

「我が友の頼みなら我慢しよう。相楽殿と景殿も今は敵味方関係なく接してくれ」

 

「しとりはー?」

 

「おお!主が、姿の言っていた姪御か!」

 

ひょいと凍座白也に抱っこされたしとりは左之助さんより少しだけ高い視界にキラキラと目を輝かせ、彼の頭の後ろに回り込んでしまった。

 

子供のアグレッシブさに心臓が口から飛び出すんじゃないかと思うぐらいに不安になってしまうものの。凍座白也は「うむ、軽やかな身のこなしだ!」と楽しそうに呵呵大笑と笑っている。

 

あんな鬼神みたいに暴れていた人とは思えない雰囲気だけど。この人って本当に強くなることと強い人にしか興味はないのだろうか。

 

「しかし、何故景殿の闘姿は片目を閉じている?」

 

その言葉にビクリと身体が跳ね上がる。

 

この人は私がドクトル・バタフライの行った手術で「特典」の性能を低下させている事に見ただけで気づいたのかと驚き、左之助さんに助けを求めるよりも先に左之助さんの手が凍座白也の頭を掴んだ

 

「ウチの女房をジロジロ見るな」

 

「それは失礼した!!千里を見渡す妖女の手の目が閉じていたため不躾な質問をしてしまった。ご婦人に不快な思いをさせ、申し訳ない」

 

「ん!あやまれてえらいね」

 

「うむ!儂は謝れて偉いのだ!」

 

しとりの言葉に元気良く答える凍座白也。

 

「景、僕の親友は面白いだろ?」

 

「そう、なのでしょうか?」

 

「オレは好かねえな。人の女房はジロジロ見るし、しとりの肩車する権利を奪いやがってよぉ!」

 

そう言って不貞腐れる左之助さんの袖を摘まみ、彼に「……抱っこして?」と両手を広げて私を差し出すと瞬きよりも早くお姫様抱っこしてくれ、フンスと胸を張って左之助さんは凍座白也を見つめて対抗心を燃やす。

 

「景も甘えん坊だねえ」

 

「姿お兄様、これが妻の特権です」

 

「ウ~ン、僕も夫婦になれば分かるかな?」

 

腕を組んで悩んでいる姿お兄様にも春は訪れていることに気付くのはいつ頃になるのでしょうね。……しかし、左之助さんの腕の中は落ち着きます。

 

五年前は恥ずかしかったですけど。

 

今はもう……今もまだ恥ずかしいままですね。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。