某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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剣客兵器の終幕 序

左之助さん達に聞かされた話は私の予想と違っていたことに安堵することも納得することも出来なかった。おそらく凍座白也は生きているけど。

 

彼の人間の在り方を視覚的に神仏や生き物として捉える特異な才能は「彼女」の姿を見ている筈、そうなると左之助さん達さえも竦んだ化け物と出会わないように行動を続けることになるでしょう。

 

剣客兵器は事実上の終わりを迎えた事になる。

 

「俺と天ちーはどうしようか」

 

「仲間の敵討ちは考えるなよ、お前達にはまだ本陣やお前達の話していた将というヤツの情報を吐いてもらわなければならんからな」

 

「斎藤、少しは場合を考えてやりな」

 

永倉新八の言葉に鋭い視線を向け、居間の端に移動していく斎藤一。でも確かに権宮剛豪と天智君を匿えるのは、その化け物に対抗できる人間だけ。

 

そんな人間がいるとは思えないけど。

 

いえ、二人ほど居ますね。

 

「ドクトルか比古先生なら勝てるんじゃ…」

 

「師匠は連絡が取れていないでござる」

 

「ドクトルはお前を拐うからダメだ」

 

「ん!母ちゃんまもる!」

 

しとりに抱き付かれたので抱き締めてあげると左之助さんに私もしとりも抱え込まれるように抱っこされ、胡座を掻く太股の上に乗せられる。

 

剣路君を膝に乗せようとする緋村剣心は彼が腰に差していた袋竹刀で叩かれ、しょんぼりとしながら薫さんに慰められている。

 

「俺の命を渡す。天ちーは助けてくれ!」

 

「……斎藤、どうするでござる」

 

「少なくとも今回の敵は化け物だ。戦力を増やしておく必要はある。だが、完全に信用した訳ではな。怪しいと感じれば即座に斬る」

 

そう言って斎藤一は煙草を吸おうとして、私のお腹に視線を向けて咥えていた紙巻き煙草をケースの中に戻し、静かに溜め息を溢した。

 

私は斎藤一のそういう優しいところは好きですよ。

 

「……その化け物が妖怪ならば神仏を奉る寺に身を置き、備えるのも策の一つではある。それに、若いが法力に秀でた巫女を一人だけ知っている」

 

「和尚から法力って言葉を聞くとアレだな」

 

「私には才能が無かっただけだ」

 

その筋肉の要塞で才能がないとは?

 

「(この時代に法力に秀でた巫女?……日崎御角だったら握手して貰いたいけど。私が話しかけたら錬金戦団が勧誘に行くかも知れないからやめよう)」

 

「景、そろそろ嬢ちゃん達と休んでろ。しとりと剣路も今夜は四人で寝てくれ、恐らくあの女はオレ達を追いかけてくる可能性もあるからよ」

 

「迎撃には不向きな場所だ。相楽、今は改築中の五稜郭でなら派手に動けるぞ」

 

「そういうわけだ。待っててくれ」

 

「……分かりました」

 

左之助さんの言葉に私達は頷き、悠久山和尚の渡してくれたお札を寝室の四方に貼りに向かう。大丈夫、みんながいるんだから絶対に勝つ。

 

 

 

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