某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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左之助さん視点になります。


剣客兵器の終幕 破

五稜郭の中心に立つオレ達を狙う視線を感じる。

 

斎藤達のおかげで人払いは出来ているがハッキリと言えばオレ達だけで勝てるのかも怪しい相手だ。剣心や斎藤達がいるが、あの化け物と斬り合えるか?

 

「……血の臭いが濃くなった。来るぞ」

 

「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ…沢山集めたのね」

 

「左之や悠久山殿より巨躯とは…」

 

三日月のように裂けた口を大きく開け、錐のように尖った牙を剥き出しにする女に斎藤は「気色悪い女だな」と呟き、咥えていた煙草の火を踏み消し、景に返していた核鉄を借りて此処に立っている。

 

緩やかに地面に両手を付け、獣が狩りをするために駆け出す瞬間に似ている。そう思った次の瞬間、永倉に向かって飛び付く女の姿が見えた。

 

「オイオイ、おじさん趣味かい!?」

 

大小一対の刀を抜いて牙と爪を受け止める永倉に髪の毛が絡み付き、弾きも受け流しも出来ずに身体を取り込まれそうになっている。

 

「そのまま押さえておけ、鷲塚!」

 

「承知…!」

 

左右反転した左片手平刺突を受け、化け物の両腕が弾けるが瞬時に永倉の身体を蹴り、化け物は千切れた腕を残してオレ達を睨み付けてくる。

 

憎悪と殺意の混じった視線がオレを見据える。剣心も既に逆刃刀を抜き、いつでも戦えるようにしているが逆刃刀でやり合うのは危険だ。

 

「痛いわ、痛いわぁ…獣の槍、嫌いよ」

 

「蛮竜だって言ってるだろ!?」

 

熱風を繰り出して地面ごと相手を吹っ飛ばす。

 

───だが、化け物女は蛮竜の熱風に怯むどころかその衝撃波に突進し、髪の毛を振り乱してオレに飛び掛かってきたところを月牙で喉を突き、空に弾き上げたヤツよりも高く翔んだ剣心が脳天に強烈な一撃を叩き込んだ。

 

「剣心、まだだ!」

 

「左之、お前の下だ!!」

 

「つか、まえたァ!!」

 

「ぐッ、ぬぐぉっ!?」

 

剣心の脚を喰い千切ろうとした化け物女の目の前に蛮竜をぶん投げた刹那、地面を突き破って刀のように鋭い髪の毛がオレの身体を締め上げる。

 

こりゃあ不味い事になった。

 

下手に動けば肉が切れる上に足が地面の中に飲み込まれてやがる。蛮竜を呼ぼうにも口が塞がれてるんじゃあ呼ぶことも出来ねえ…!

 

「諦めは感心しないよ、相楽君。愛する家族の元に帰るという紳士(ジェントルマン)以前に、男として大事な役目を忘れるなどNonsenseだ」

 

「ぶはあっ!?ベッ、ペッ!!」

 

突如、金色の羽を羽撃せながら五稜郭に降り立ったドクトル・バタフライに驚きながらも口の中に残った髪の毛を吐き出していたとき、ドクトルの後ろに見覚えのある人影が幾つか見える。

 

「諸君、助っ人の登場だ。往こうか」

 

その言葉にオレは笑いながら蛮竜を引き寄せる。

 

 

 

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