「まさか景のいる北海道で妖怪退治に巻き込まれるとはね。おじさんも気を付けなよ、化け物と戦うのは初めてっぽいし。白也、同時に行くよ」
「我輩はおじさんではない!」
「うむ、一度恐れたが二度目は大事無い!」
「馬鹿弟子のお守りなんざやりたくないんだがな」
大小一対の刀を既に抜刀した姿が鋭い視線を化け物女に向け、凍座のヤツが巨大な鉞やら金棒、刀を籠に背負って現れ、大刀を担いだ羽根付き羽織を纏った石動雷十太、酒瓶を煽って比古清十郎がドクトルの隣に立つ。
そして、オレの知り得る限り。
最も剣心とオレを苦しめた男が現れた。
「姉さんの墓荒らしをしたのはお前か…」
「縁、どうしてお主が此処に…」
「……抜刀斎、また僕達の前にお前がッ……」
「待ちたまえ。雪代君、君のお姉さんの墓を荒らしたのは緋村君ではなく、あそこにいる髪を振り乱している化生の化け物なのだ」
一発触発の二人の間に割り込み、雪代縁に言葉を伝えたドクトルの肩を押し退け、アイツは怒りに満ちた眼光で化け物女に歩み寄っていき、力任せに剣心と戦った時よりも鋭く重い倭刀の斬撃を振り下ろした。
「抜け駆けはダメだぜ、白髪さん!」
「チッ!焦りおったか!」
オレ達も加勢しに向かおうと剣心を見るが、ドクトルと話すらしくオレに視線を送ってきた。だが、蛮竜の最大威力の熱風を撃つには溜めがいる。アイツらのおかげで、その溜めは十二分に作れる!
「話は全て解った。喧嘩屋、我輩が活路を開く!」
「カマイタチか、頼りにしてるぜ」
「我が秘剣『飯綱』を受けてみよ!ヌンッッッ!!!!」
石動の雄叫びと共に放たれた飯綱は五年前に見たものよりも凄まじく、地面を抉り進んでいく真空の刃が乱気流を生み出し、化け物女の脇腹を刻むように真空の刃が突き抜け、化け物女に痛烈な一撃を見舞う。
刹那、女の脇腹に腕が生え、雪代縁と石動を弾き翔ばす。
「させないよ、『バタフライエフェクト』!」
「粉で私を倒せるものか!」
「ただの粉ではない。あらゆるものを惑わす魅惑の鱗粉、貴様ごとき妖怪には抜け出すことは不可能と知れ。さて、各々の持つ最強の技をヤツに叩き込んでほしい。そうすればヤツを倒せるはずだ」
その言葉に従ってオレは最大威力の熱風を撃つために構える最中、剣心から始まって怒涛の連撃が化け物女に叩き込まれていき、オレの振るった蛮竜から熱風が弾け、化け物女の身体を粉々に破壊し、ドクトルの武装錬金がヤツの身体を完全に包み込み、一先ずは撃退に成功した。