一足先に東京へ帰ることになった緋村剣心と薫さん、剣路君を函館の港で見送って私と左之助さん、しとり、クズリのドンは漁業組合や交易商の方々のところで働く井上君達に会いに向かう。
剣客兵器の攻撃の活発化も伴っていたため、まだまだ子供の三人を戦地の近くに残すことを危惧した左之助さんと緋村剣心の二人の判断だったけど。
どうやら平和そうに過ごしている様です。
「シャチョー、、見送りは終わったの?」
「オウ。一応、見送りだけはしてきたぜ、お前らはどうする?砂金採りならまだ出来るし、ニシン漁やアイヌ民族との狩猟関係の話し合いもあるが」
「私はまた砂金採りしたい!」
「旭がしてるのはオレと阿爛が採ったヤツを眺めるだけじゃねえか。お前もオレ達と一緒に川入れよ!」
「えー、霜焼けで手荒れするのやだぁ」
「僕は社長のおかげで交易の勉強も出来ていますから、このままで不満は無いですけど。二人はそろそろ飽きてきたみたいです」
そう言って頬っぺたを引っ張り合う長谷川君と久保田さんの二人のやり取りに「そんなに引っ張ったら怪我しちゃいますよ」と二人の手を取って離してあげる。
「景ちゃんさん、何かキラキラしたのない?」
「オレは食い物が食える仕事がいい」
「物欲と食欲、知識欲の揃い踏みだな」
「左之助さん、言い方が悪いですよ」
「まあ、事実ですから」
井上君も事実だからと苦笑しているものの。
二人の間を取り持っている彼は三人のリーダーを務め、仕事の指示や不審な貨物品や輸入品を見つけ、久保田さんの目利きの良さで鑑定し、犯人を長谷川君が捕まえることが多々あるそうです。
「あっ、そうだ。シャチョー、日給ちょうだい!」
「ん?ああ、もう仕事終わりか」
「今日も二円ゲット!」
「飯行くぞ、飯ッ!!」
ワチャワチャと茶封筒を持って騒ぐ三人の姿にクスクスと笑いながら「元気なのは良いですね」としとりを抱っこしようとしたら、ドンが爆速で駆け出していき、グルグルと縦回転しながら背部を頭巾を被っていた男の人に叩きつけ、ボトリと地面に落ちた。
「ドン、めっ!」
「……雪代、縁…?…」
しとりに叱られるドンの近くに立つ頭巾の男の人に驚きながらも彼の名前を呟き、左之助さんも目を見開いて驚いているけれど。
何かをしようとしている訳ではなく、雪代縁は誰かを探している様に見える。そういえば、雪代巴のホムンクルスが奪われたとドクトル・バタフライが話していたけど。あの孤島の培養槽をずっと彼は守っていたのだろうか。