ようやく両目が見えるようになったけれど。
なんだか以前の瞳の色ではなく、ほんのりと少し赤みがかった渦巻き状の紋様が浮かび上がっている。さながら「
私の「前世の記憶の保持」も言ってしまえば永続的に視界に映り込んでいる物体を「前世の記憶」と照らし合わせ、その情報を1として、一気に1000まで叩き付けるように教えるというものになっている。
脳機能に掛かる負担で鼻血や血涙、吐血、労咳を出して警告を出している。ただ、この前は私の意志と反して「特典」の暴走で見えていただけ。
もう、大丈夫な筈です。
「左之助さん、雪代さんは大丈夫ですか?」
「オッサンの治療で傷は治ってるが怒りに任せて姉貴を殴ったり斬ったりした事を後悔してやがるのか、ずっと虚空に謝りっぱなしだ」
「……それは、ダメなのでは?」
「まあ、剣心も一度は似たのになったんだ。アイツも立ち直るだろうが、流石に直ぐに立ち直るっていうのは難しいだろうな」
そう言って顔をしかめる左之助さん。
かつて彼と戦った事のある左之助さん達だからこそ、そういう姿を見るのは辛いのでしょう。でも、緋村剣心が乗り越えたのですから、いつか、きっと。
そう思ってドクトル・バタフライの研究所の正門を通る前にお辞儀を贈って左之助さんを追い掛ける。この「特典」を選んだことを後悔した事はありません。
大切な想い出を覚えているのは大事な事です。
「景、背負うか?」
「いいえ、今日は一緒に歩きたいです」
「そうか」
人気の少ない道をのんびりと二人で歩く、しとりとドンも一緒に居たら家族一同でのお出掛けになるけど。今日は久しぶりに左之助さんと二人きりがいいな、と、そう想ってしまった。
「なあ、お前は……いや、止めとく」
「フフ、どうしたんですか?」
左之助さんはきっと「お前はいつまで生きられる」と聞きたかったんでしょうが、まだまだしとりやお腹の子が大きくなるまで生きて、私も左之助さんと一緒にお爺ちゃんお婆ちゃんになりたいです。
「そういえばしとりはどうしてるんですかね」
「あー、姿のヤツもいるからな」
「姿お兄様はしとりに嫌われる様な事はしないと思いますけど。それに本条さんも一緒に居るでしょうから、安全ではあります」
「……アイツって十本刀じゃなかったか?」
「そうですよ?」
どうしたんですか。
まさか、もう義姉としての認識になっていたり?