左之助さんに白面の者の目的かも知れない不破信二とドクトル・バタフライの仮説を話したところ、一瞬だけ真顔になって私の事を見下ろしていた。
やっぱり、ヤンデレなのかな?と不安になるものの。私を大切に思ってくれる左之助さんなら、きっとそんな酷いことはしないはずだと信じている。
しとりもいるから、しませんよね?
「次話し合うときはオレも呼んでくれ」
「(転生者同士での会話もあるけど。左之助さんなら聞かれても良いかな)……はい、次にお話しすることがあったら左之助さんを呼びますね」
「おう。……ところでよ、景は倉と地下室の二つだったらどっちがいい?」
「倉と地下室ですか?」
いきなり、どうしたんでしょうか。
新しく選んだ交易品を収納する場所なら、まだまだ空きはあると思うけど。なにかの遊びなら私は走るのも隠れるのも下手ですからね。
しとりが楽しめるものをしてあげたい。
「かくれんぼなら倉でしょうか。地下室は暗くて怖いですから、しとりも隠れるなら明るいところが良いと思いますし」
「ん!かくれんぼする!」
そう言ってワクワクと左之助さんを見上げるしとりに、左之助さんは澱んだ瞳が澄んでいき、彼女の事を抱っこして「かくれんぼか、しとりは何処に隠れるんだ?」と楽しそうに聞き始める。
「ん、えとね、あのね」
「フフ、ゆっくりで良いからね?」
「母ちゃんといっしょにかくれう!」
「かくれる、ですね」
いっぱい喋ろうとすると、やっぱり少しだけ舌足らずになってしとりの恥ずかしがる可愛い顔が見えて、むにむにっと彼女の頬っぺたを左右から挟んで触る。
左之助さんもしとりの頬っぺたを触って笑っている。
しとりは可愛いです。
「母ちゃんもほっぺつんつん!」
「あらあら、お母さんの頬っぺたはしとりみたいに柔らかくないかもですよ?」
「景は柔らかいだろ?」
「母ちゃんもちもち!」
「(ふ、太ってるのかな?)」
左之助さんとしとりの二人とも一緒の言葉を言うので不安になり、自分の頬っぺたを触ってみる。鏡でも太っているようには見えないけど、人から見ると太っているように見えるって聞いたことがある。
太りたくないけど、太ってるのかな。
「……あの、しとり?」
「ぎゅーっ!」
「フフ、ぎゅーっです」
左之助さんに抱っこされたまま私に抱きついてきたしとりを優しく抱き締め、ポンポンと彼女の背中を優しく叩いてあげる。
「オレもぎゅーしてえ」
「ん!」
「フフ、はい。どうぞです」
「ギューッだ!」
「くすぐったい!」
私と左之助さんに挟まれて笑うしとりの頬っぺたに頬っぺたをくっ付け、嬉しそうに笑ってくれる彼女の事を二人で優しく抱き締める。