ドクトル・バタフライと姿お兄様のお薬のおかげで、ようやく落ち着いた身体を左之助さんに横抱きにされ、親分の背中に乗るように置かれ、ギュウッとしとりに身体を抱き締められる。
ごめんね、怖かったよね。
「で、どっちがオレの相手だ?」
「ケッ。人間相手に戦えるかよ。それにお前が構えてるソイツは蛮竜だろ、アイツから盗んだにしちゃ臭いも気配もお前に馴染んでやがる」
「(アイツということは蛮竜の転生者は存命、日暮かごめがセーラー服なのも考えるとやはり奈落と戦っている時代で間違いないですね)」
鉄砕牙の変化を解いて元の錆びた刀に戻す犬夜叉にまだ警戒心を向ける左之助さんの肩に触れ、ゆっくりと怒りで我を失いそうになっている彼の事を抱き締める。
動悸が早くて怒っているのが簡単に分かる。
私達の事を傷付けようとした相手に怒ってくれるのは嬉しいです。でも、戦うことを止めた人に怒りを向けて、襲い掛かるのはダメですよ。
「……大丈夫だ。ありがとうよ、景」
「はい。私も焦りすぎました、ごめんなさい」
「ん!あやまって、えらい!」
私と左之助さんの間に飛び込んできたしとりを慌てて受け止める彼の姿にクスクスと笑ってしまうものの、ゆっくりと犬夜叉と日暮かごめに姿勢を正してお辞儀する。
「初めまして、相楽景と申します。詳細は省きますが、私達は貴方達の事を探していました。犬夜叉様、日暮さん、どうか刀々斎様のところに私達を連れていって貰えないでしょうか?」
「刀々斎のお爺さんに用があるの?」
「こいつを打ち直して貰いてえんだ」
折れた蛮竜を突き出す左之助さんに犬夜叉は警戒したけど。すぐに警戒を解き、左之助さんから蛮竜を受け取ると臭いを嗅ぎ始める。
なんだか、本当に犬妖怪なんだなって思う、
いえ、分かってはいるんだけど。あんなに顔を蛮竜に近付けて臭いを嗅がれるのは我が事のように恥ずかしく感じてしまう。
「……刀々斎じゃねえな。微かに闘鬼神の臭いが混ざっている以外は嗅いだこともねえ妖怪や人の臭いだ。それにアイツの臭いもある」
刀々斎じゃない?
闘鬼神の臭いということは?
───あ、これは下手したら死ぬヤツですね。
「ど、どうしたの?顔が真っ青だけど」
「い、いいえ、まさかの出来事に戸惑っているだけで先程のように倒れることはありませんから、刀々斎様ではなく闘鬼神の刀鍛冶ということは……」
闘鬼神を鍛え上げた妖怪の刀鍛冶の灰刃坊ということになるわけですが、その近くには殺生丸様がいるということ世の女の子の初恋を奪った殺生丸様が…!
私の初恋は、誰だったかな。