犬夜叉と日暮かごめの案内を受け、私達は穏やかな村の中に入っていく。私個人としては聖地巡礼みたいなことをしている気分ですけど。
ドンと親分に向く視線は警戒心が混じっている。
左之助さんの背中に刻まれた「悪一文字」にも視線は向いているものの、それはいつもの事なので余り変に思うことは無いですね。しかし、犬夜叉の私に向ける怪訝な視線は悲しく感じます。
「景さんとしとりちゃんは此方に来てくれる?」
「しとり、行きましょうか。左之助さんはドン達と待っていて下さいね」
「かごめ、何かあったら叫べよ」
「景、危なかったら呼んでくれ」
個魔の方もいるので危なかったら大丈夫だけど。それに、日暮かごめは嫉妬深くて直ぐに怒ってしまうところもありますけど。
とても優しい女の子なんです。
「やっぱり、何か」
「あの、なにかって?」
ジッと私のお腹を見つめる日暮かごめに不安を抱きつつ、お腹の子を守るように手を翳して包み、彼女の言葉に首を傾げながら問いかける。
「ん!しとりのおとうと!」
「……フフ、妹かも知れませんよ?」
「ん!どっちもがいい!」
「そうですね。しとりがしっかりとお姉ちゃんを頑張れたら産まれるかもしれないわね」
まあ、そうなったら今度こそ私の体力も精魂も尽き果ててしまいそうだけど。二人のお薬のおかげで延命も出来ているし、ドクトル・バタフライは西洋医学を学んで私の手術を行おうとしてくれていた。
私は恵まれた環境にいるんです。
それなのに怖くて恐くて左之助さんと離れるのが嫌だからと戦国時代まで着いてきて、しとりが戦国時代で危ない目に遭うかと知れないのに、本当に我が儘で情けないお母さんでごめんね。
「よし、しとりちゃんにはこれを」
「ん!くつ!」
「草太のお古だけど、草履じゃ危ないからね」
そう言って日暮かごめは黄色の長靴を渡してくれた。漫画風に言えば「こんなこともあろうかと」という出来事を体験してしまいました。
「景さんには此方を」
「矢じりですか?」
「うん。奈落の気配と別の妖怪の気配が混ざり合って、変なものも纏わり付いているからあの人に教えて貰った魔除けの方法だけど。持ってて」
赤い紐で首飾りのように加工された巫女の持つ破魔の力の込められた矢じりを受け取り、私は身体を心配されていることを理解した。
やっぱり、日暮さんは優しい女の子ですね。
刃引きもされているらしく怪我することもなく、しとりを抱っこすることは出来ますね。しかし、こう言ったことは原作の彼女には無かったこと。
これも蛮竜の転生者の影響でしょうか?