某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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二振りの蛮竜 序

「ハッ、ハハハハハッ!!ぶん殴られて吹っ飛ぶなんて殺生丸に喧嘩を売ったとき以来だ!」

 

「今とんでもないこと言ったわね」

 

「おう。言ったな」

 

戦骨と名乗った蛮竜の転生者の高笑いと話にドン引きする日暮さんと犬夜叉の二人の反応に同意したい気持ちを押さえながら、パキリッ…!と拳の骨を鳴らして怒り心頭の左之助さんをしとりと一緒に見守る。

 

殺生丸は話を遮られたことを怒る様子もなく静かに左之助さんと戦骨の戦いを傍観する事に決めてくれたのか。草原に飛び出た岩場に腰掛けている。

 

「赤鉢巻き、名乗りな!」

 

「相楽左之助、テメーが勝手に触った女の旦那だ」

 

「(そ、そんな堂々と宣言しなくても…♪︎でも、やっぱり自分の女だって他の人にアピールされると言い様の無い優越感と多幸感がいっぱい溢れてきます♪︎)」

 

余りの嬉しさに頬を押さえてニヤけてしまう顔を揉み解しつつ、まるで刀のように石突きの月牙を握り締めて蛮竜を大上段に構える戦骨の動きに笑みは消え、焦りと恐怖が襲ってきた。

 

「小手調べだッ!!消し飛ぶんじゃねえぞ!!」

 

「誰が消し飛ぶかよッ!!」

 

「左之助さん、横に飛んでっ!」

 

私の叫ぶ声さえも切り裂く暴風の一撃が真っ直ぐに振り抜かれ、左之助さんの立っていた場所から更に向こう側まで天も地も抉り取るように真っ二つに裂けていた。

 

今の絶技を私は知っている。

 

いや、彼も転生者なのだから他の作品の技を真似たり創意工夫を加えて似たものを作るとは想像した事はある。現にドクトル・バタフライや不破信二も同じように他の作品の技を真似る事がある、けれど───。

 

今の「終末のワルキューレ」に登場する中華最強の戦士たる呂布の「天喰」は、戦士の様なただの人間の身体で出していい技じゃない。

 

「オオッ!生きてるなぁ!」

 

「なんってモンを使いやがる!景としとりに当たったら一溜りもねえじゃねえか!?」

 

「悪い悪い。テンションが爆上がりしちまってよ、オレをぶん殴って吹っ飛ばしたヤツなんて殺生丸以外にマジで居なかったから嬉しくてさ」

 

「お前、さては倫理観やべえヤツだな?」

 

地面から這い出てきた左之助さんに嬉しそうに笑う戦骨に犬夜叉達もドン引きしている。おそらく、この技を彼らの前で使ったことはないんだ。

 

「第2ラウンドを始めたいところだが山も抉ったから妖怪の群れが来るな。灰刃坊、アンタに頼んでたヤツは出来てるよな?」

 

「出来ているが後だ。どこぞの馬鹿が暴れたせいで赤鉢巻きの蛮竜を鍛え直すのに時間が掛かるからな」

 

「アッハッハッ、なんか悪いな」

 

そう言うと先程まで纏っていた剣呑な雰囲気は無くなり、左之助さんの蛮竜を鍛え直す灰刃坊と刀々斎様に近付き、彼らの作業を眺め始める。

 

「……何なんだよ、コイツは」

 

「私の時もそうだった。ふらりと現れたかと思えば負けても挑み、馬鹿みたいに笑って気がつけば私の元に居たり、居なかったりする変なヤツだ」

 

せ、殺生丸様が多く語っている……!?

 

 

 

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