「お前の蛮竜も直った訳だ。続きしようぜ」
ニヤリと笑みを浮かべて笑う戦骨の言葉にどよめきが起こる。さっきまで楽しそうに刀々斎様と灰刃坊の鍛造を見ていたのに、この変わり様の早さはダメすぎる。
左之助さんも驚きすぎて蛮竜を掴んだまま固まり、どうしようかと考え込んでしまっている。ゆっくりと深呼吸を繰り返して、左之助さんの傍に近付く。
「景さん、危ないわよ!」
「馬鹿野郎、死ぬ気か!?」
日暮さんと犬夜叉の言葉に苦笑しつつ、完全に止まっている左之助さんの右腕を掴み、クイクイと袖を引っ張ると左之助さんの意識が元に戻ったけれど。
「左之助さん、聞こえてますか?左之助さん」
「……お、おう?……」
「……ちょっと屈んで下さい…」
ぼんやりとしている彼の袖から襟に手を動かして左之助さんに気付け代わりに恥ずかしいけど、みんなの見ている前で口付けをしたら、バチリッ…!バリバリィッ!!と青白い雷撃を放出し始め、左之助さんの鉢巻きが帯電して尾のように雷撃を伸ばす。
「おお、大胆な気付けだな!」
貴方のせいでしょう、黙ってて下さい。
「……悪い、馬鹿すぎて意識が飛んでた」
「いえ、私もすみません…」
しとりにキスしているところを見せてしまった。……いや、よく思い出してみるとしとりが居ても左之助さんは構わずにキスして来ていましたね。
「んじゃ、戦ろうぜ!」
「ったく。女房からの接吻の余韻にも浸れねえのか」
「そ、そういうのは良いですから」
そそくさとしとりと個魔の方やドン、親分の近くに戻ると周囲の視線が集中している事に嫌でも気付く。あれは妻として大切な夫を奮い立たせるために、自分に出来る最善策を導き出した結果です。
そう言い訳じみた事を心の中で言いながら「ん!ん!ちゅーしたい!しとりも!」と私の袖を引っ張るしとりのモチモチした頬っぺたを持ち上げ、彼女のおでこにチューをしてあげると嬉しそうに笑い始める。
左之助さんの悪いところが遺伝していますね。
「オレも嫁さん欲しいなあ、くれ!」
「誰がテメェなんぞにやるか!!」
わざと煽るような言動を繰り返す戦骨に新しく鍛え直された蛮竜で鍔迫り合い、ほとんど同じ技や動きが酷似した動作で二人は斬り結ぶ。
「最高だなァ!!」
「喧嘩は楽しいがテメェとは合わねえ!」
「ハハハッ!!ソイツは残念だ!」
蛮竜を後ろに引いて構える戦骨よりも素早く蛮竜を地面に突き立てた左之助さんが地盤を崩し、戦骨の体勢を崩したところに穂先の腹で彼の頭を思いっきり叩き、地面に叩き落とした。