「行くぜぇ!蛮竜閃ッ!!」
「グッ、負けるかァッ!!」
禍々しく猛る妖気を纏った衝撃波を放った戦骨に負けじと左之助さんも蛮竜の刀身に巻き付くように現れた高熱の暴風を繰り出し、二人の技は地面と草花を爆ぜ抉り突き進んでいき、衝突すると同時に激しく凄まじく競り合い、ほとんど同時に弾けた。
「へえ、オレの蛮竜に劣らねえか……ならっ!」
「速ッ、ガアッ!?…んのやろう!!」
そう楽しそうに笑いながら右肩に蛮竜を担ぎ、一気に駆け出した戦骨の動きに左之助さんは僅かに出遅れ、大振りの技も型も関係無い純然たる腕力に任せて打ち込まれた左拳を受け、左之助さんが後ろに大きく仰け反る。
「くうっ、やるねぇ!!」
「づあ゛ッ?!」
だが、直ぐに左拳で戦骨を殴り返し、今度は戦骨が仰け反りながら左之助さんの顎を蹴り上げ、前髪に足の指を絡めて地面に叩き落とした。やはり戦骨は左之助さんを純粋なバトルセンスで上回っている。
私は左之助さんが負けるとは思っていないけど。
明らかに強さのレベルが違いすぎている。
「ヘヘヘッ。こんなに楽しいのは久し振りだぜ、最近の奴らは強いと分かったら直ぐに逃げるか命乞いだからな。まあ、無駄な殺生は性分じゃねえし。あっ、殺生丸だけに殺生はしないってどうよ?」
「殺すぞ貴様」
せ、殺生丸様になんてことを……。
「んだよ。ジョークじゃねえか、な?」
「いい加減に、頭から足を退けやがれ!」
そう言うと左之助さんは自分の髪の毛を掴んでいた戦骨の足を掴み、蛮竜から全身に向かって青白い雷撃を放出し、戦骨諸とも強烈な雷撃を受ける。
「し、死んだか?」
「七宝さん、左之助さんは死にませんよ?」
「ん!父ちゃんはにほんいち!」
「じゃ、じゃがあれ程の雷撃を受けたら」
七宝さんが倒れた二人に視線を向けたその時、左之助さんの身体は再び青白い雷撃を纏って立ち上がり、ふらつき、戦骨を見下ろす。
左之助さんが勝ったのだろうかと身を乗り出した瞬間、個魔の方の黒衣の外套が私の目の前を遮られ、凄まじい轟音と共に岩石の欠片が周囲を舞った。
黒衣の外套で、なにも見えない。
「母者、ありゃあ化物だぞ。理性を持った化物はもっとも恐ろしいなんて言葉はあるが、まさかあんなヤツが蛮竜の最初の遣い手とはな」
「ん!んんっ!みえない!」
「個魔の方、私は見ない方が良いですか?」
「いや、見ても良い。ただ、父者が傷を負って怪我するところを見ても大丈夫なの?下手したら肺と心臓に負担が掛かるでしょう」
「それでも私は妻ですから」
あの人の戦いは見守らないといけないんです。