青白い雷撃を纏う左之助さんと頭から流れる血を使って髪の毛を掻き上げた戦骨は同時に駆け、蛮竜をぶつけ合い、横薙ぎと振り落としが衝突した衝撃の余波が空気を震わせ、傍観することしか出来ない私達の立つ場所まで、その衝撃波は伝わってくる。
私達は個魔の方の黒衣で守られているけど。
犬夜叉達は弾ける岩石を防ぎ、いつでも二人の戦いに割り込めるようにしている。でも、犬夜叉はやはり鉄砕牙を抜かずに、その爪を使って岩石を殴り壊し、砕く。
今は悟心鬼に折られた時期から、そう時間が経っていないんだろうけど。冥加様は竜骨精の事をまだ教えていないということは三度目の妖怪変化の前だと思う。
「テメー、また蛮竜の軌道を変えやがったな!?」
「ハハハッ、悪い悪い。────だがな、家族を守りたいなら雷撃を纏うだけに留まってんじゃねえよ。お前も分かっているだろ、その先が在ることによぉ!!」
「グッ、ずおあっ?!」
横薙ぎに振るわれた戦骨の蛮竜を受け止めるも力負けして弾き飛ばされた左之助さんは度重なる衝撃波と熱波に雷撃を受け、ボロボロになった地面を転がりながらも立ち上がって構え直す。
「……この野郎、好き放題に言いやがって。コイツに先が在るのはオレも知ってるんだよ!だが、そいつが景やしとりを傷付けるかも知れねえんだぞ!?」
「あー、OK。成る程ね、邪魔なのはアイツらか」
左之助さんの叫びに納得した戦骨の視線が私としとりに向き、強烈な威圧感に襲われそうになったその時、日暮さんや犬夜叉、珊瑚さんに弥勒様が私達を庇い、守るように立ち塞がってくれた。
「戦骨ッ、てめぇ今コイツらを殺そうとしやがったな!その赤鉢巻きがどんだけすげえのかは知らないが、女子供を狙うなら容赦しねえぞッ!!」
「アホ。バカ犬め、オレが戦うために女子供を狙うかよ。まあ、左之助は予想通りの反応をしてくれたみたいだけどな!」
その言葉に私達の視線は戦骨ではなく、彼の目の前に佇んでいた左之助さんに向かう。しかし、そこに居たのは怒りのままに人相を変えて、髪の毛が毛先から根本まで全てが白く染まった左之助さんだった。
「覚えておけよ、蛮竜には妖気を吸って溜め込める能力と周囲の妖気を吸い込んで身体の強度を高める副次効果もある。んで、その白髪化は妖気を身体に取り込んだ、謂わば第二段階だガッ!?いきなりどうした!?」
淡々と真剣に説明していた戦骨の顔面に左之助さんの右拳がジャストミートして彼を殴り飛ばす。しかし、当の本人は自分の仕出かした事に気付いていない。
何となくですけど。
後先を考えずに荒療治で物事を解決しようとした戦骨が悪いですよね。いえ、そもそも左之助さんを怒らせた彼が悪いですね。
「しとり、終わるまで向こうに行きましょう?」
「ん!ドンもおやぶんもくる!」
「おらも着いていくぞ。此処に居るのは危険じゃ」
私達は二人の戦いを見守ることを止めて、左之助さんが未だに自分のダメなところを理解していない戦骨を倒すまで遠くで待つことにした。
殺生丸様はもう既に居なくなっているし。彼も呆れて帰ってしまったのだろうと考えると、本当に戦骨は馬鹿なんだなと分かってしまいました。