某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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一先ず、終わりを迎えて 序

戦国時代から帰ってきた私達を出迎えてくれた時代樹の話を居間で聞きつつ、スヤスヤと私の膝の上に頭を預けて眠っているしとりの背中を優しく撫でる。

 

「此度の転移は無事だったであろう。だが、景は悪縁を結んでしまったな。しかし、左之助がいる限りヤツはお前に手を出すことはないだろう」 

 

「奈落のヤツか」

 

「いや、景の優しさに触れたのは鬼蜘蛛の部分だ。元々粗暴で粗悪な盗賊だった頃のアイツにとって桔梗という近くにいた美しい巫女を望むのは当たり前の必然だった。が、今回は母の慈しみにヤツは取り憑かれた」

 

「母の慈しみ、ですか?」

 

そんなものを向けた記憶はないんですけど。

 

一体、どういうことなのだろう?

 

私は彼女の言葉に首を傾げながら、時代樹は続けるように「景、お前は白く無垢な神無をただの子供として扱っただろう。あの子に向ける優しさは彼女の身体を通じて、奈落にも見えていた」と言われて納得した。

 

確かに見られていた気がする。でも、見ているだけで変な事はされませんでしたし。いや、いきなり桔梗から乗り換えるような言葉を言われたけど。

 

多分、アレじゃないですね。

 

「私の前で愛の告白を受けていただろう」

 

……えぇ?アレだったのですか。

 

「そもそも人妻に手を出そうとする人を好きになるわけないんですね。私には左之助さんという生涯を共にする旦那様がいるので靡きませんよ?」

 

「アイツの執念深さは知っているだろう。アイツは桔梗を手に入れることが出来ず、死して尚も醜くこの世にこびりついたゴミの様なものだ」

 

桔梗の精神出てきてませんか?

 

思わず、そう聞きたくなるような物言いに苦笑いを浮かべつつ、しとりに聞かれていたら大変な事になる言葉遣いに「しとりのためにももう少しだけ言葉遣いを丁寧にお願いできますか?」とお願いしてしまった。

 

「ふむ、すまないな」

 

「あ、いえ、こちらもすみません」

 

「で。オレは奈落を斬れば良いのか?」

 

「いや、お前達の生活は少しだけ平穏に戻る。奈落を討つのはお前達の子孫に当たる子らだ。いずれ給仕服の娘と変態がお前達を訪ねてきたときは優しくもてなしてやれ。ソイツらが世界を救う事になる」

 

給仕服の娘と変態とは?と困惑する。

 

私と左之助さんの子供に一体何が起こっているのだろう。まさか変態に絡まれるような「物語」が混ざり合ってしまうのでしょうか。

 

「……変態は斬って良いのか?」

 

「いや、変態は斬るな」

 

「蛮竜を鍛え直した意味はどうなるんだよ」

 

「それもまた、いずれだ」

 

未来の出来事を語るつもりはないということですね。

 

 

 

 

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