しとりの右手に埋め込まれていた四魂の欠片の事を左之助さんに話し、どうやって四魂の欠片を摘出するのかを話し合っているとしとりの右手が光り始めた。
「ん!よんでる!」
「へ?」
「景!しとり!」
しとりが右手を突き上げた瞬間、私としとりは光に呑み込まれ、気がつけば見知らぬ場所に座り込んでいた。幸いにも個魔の方が黒衣で受け止めくれたけど。
ここは、何処なのだろう。
「嬢ちゃん、危ないことはしない約束だったのに母者と弟とか妹を傷付けるつもりなのか?」
「私もお腹の子も大丈夫ですから、しとりも泣かないで。お母さんはこの通りピンピンしていますから、ほら!しとりも抱っこできますよ!」
優しくしとりを抱き締めて抱っこしてあげると私の首に両腕を回して、グスグスと怒られたことよりも私が怪我をするかも知れなかった事に涙を流す彼女の優しさを嬉しく思う反面、子供に心配させてしまう自分の弱さをお申し訳なく思ってしまう。
「個魔の方、此処は何処ですか?」
「雰囲気と臭いは戦国時代だ。おそらく四魂の欠片を通して母者と嬢ちゃんを呼び出したんだろう。ただ、コイツは好機だ。かごめか桔梗に会えれば嬢ちゃんから四魂の欠片を摘出してもらえる」
「……ん、ごめんなさい」
「フフ、大丈夫ですよ」
左之助さんが迎えに来てくれるのを待つより、個魔の方が言うように二人を探した方が無事に帰る可能性は高くなる。それに今しとりを守れるのは、私だけだから絶対に未来に帰してあげないとです。
そう思っていると藪の中を突き進んできた何かが個魔の方に絡みつき、彼女の身動きを封じようとするも身体を逆に締め付けられ、白蛇の身動きを完全に封じ込める。
角の生えた白蛇。
まさか黒巫女の椿がいるの?と立ち上がって周囲を見渡すと白髪にも銀髪にも見える綺麗な長髪を揺らして現れた彼女はしとりの右手を見つめる。
「奈落の邪気を纏う四魂の欠片とは不運な物を埋め込まれているな。私が取ってや…」
ゆらりと伸びてきた彼女の手が巨大な大鉾の刀身に阻まれ、しとりの手に触れることはなかった。もう左之助さんが来てくれたのかと見上げ、身体が強張る。
「戦骨、どういうつもりだ?」
「椿婆さんが子供に手出ししようとしていたからな。仲間の悪いことを止めるのは大将として当然の事だと思うぜ?あと数日ぶりだな、景としとり」
「せんこつ!」
「貴方がいるということは、やっぱり」
「おう、戦国乱世だ。左之助がいねえのは気になるが今は安全なところで話を聞かせてくれ。その四魂の欠片についてもな」
そう言うと彼は黒巫女の椿の肩を抱きつつ、私達に着いてくるように言ってきた。幸い、個魔の方に預けていた荷物があるから数日はお薬は問題有りませんけど。
もしも、それが尽きたら……。
いいえ、不安になることは考えない!