左之助さんの負った傷を治療してくれたドクトル・バタフライと左之助さんを連れ戻してくれたススハムにお礼を言い、二人に何かお返しを渡そうとしたものの、「これから大変になるだろうから」と断られてしまった。
まだ、なにかあるのかな?
「左之助さん、大丈夫でッ!?」
布団の上で眠っている左之助さんの枕元に座って話し掛けようとした瞬間、私の身体と左之助さんの身体の位置が代わるように抱き締められ、驚きながらも左之助さんの匂いに安心感を得てしまう。
「なあ、どうしたらお前と一緒に居れる」
「いつも一緒に居るじゃないですか」
「違う。奈落も妖怪も錬金術師の奴らもお前の身体の事も気に止めずお前を欲しがって、オレはずっと後手に回ってお前に怖い思いをさせてばっかりだ」
「……確かに、いきなり捕まったり連れ去られたりするのは怖いです。それでも私は左之助さんが助けに来てくれると信じています」
でも、私が捕まる度に左之助さんが傷付いている。私のせいで大好きな人が死んでしまうかも知れないという恐怖や不安はいつもより重く募っている。
「痛っ」
「ッ、悪い。強く抱き締めすぎた」
「…………もうちょっとだけ抱き締めて下さい」
私の左肩に食い込んだ左之助さんの指に思わず痛みの声を出してしまい、私を抱き締めてくれていた左之助さんの身体が離れる。
さっきまで私を包んでいてくれた安心感を失い、寂しさと不安に彼を見上げながら、両手を広げて左之助さんを求めてしまう。
「ん゛ッ……今日は一緒に寝るか?」
「……はい、しとりはもう寝ていますから」
傷だらけの左之助さんの腕の中に包まれ、いつもはしとりと一緒に寝ているから左之助さんと一緒に眠るのは本当に久しぶりです。
私にはない太くて硬くしなやかな筋肉を持つ明治時代の人間では有り得ないほど柔性と剛性を兼ね備えた腕が私の身体を力強く抱き締める。
「景、お前が何処に連れていかれても必ず見つけ出してやる。未来に連れていかれたら妖怪だろうがホムンクルスだろうが何にでもなって迎えに行く。過去に行ったなら必ず追いかけて、お前を見つけ出してやる」
「……フフ、なんだか愛の告白みたいですね」
「愛の告白だよ。何回生まれ変わったってオレはきっとお前に出会うために生まれ変わる、お前が覚えていなくても絶対にお前と出会う」
「はい。絶対に見つけて下さいね」
そう言って私は自然と左之助さんに微笑み、左之助さんの頬を優しく撫でて、彼の胸元に顔を埋めて抱き締めて貰いながら眠りについた。