「やはり、素晴らしいものだ」
「嗚呼、マジでカッコいいぜ」
「吾も分かるぞ、良いものだ」
何回目なのかも分からない転生者の会合に集まったかと思えば何かを語り合うドクトル・バタフライと不破信二と奈落(此方は転生者の方です)が、居間の机を占領して楽しくワイワイと遊んでいた。
「相楽カッケマッ。どうにかしてくれない?」
「どうにかって、何をしているんですか?」
「糸色君、君ならばコレの良さが分かるだろう」
そう言って差し出された物を見る。
どこかで見たことはあるけど。
「何ですかこれ?」
何だったかな?と意識を集中させ、ハッキリと意識しなければ使えない制圧・制御状態の「特典」を使おうとした瞬間、ドクトル・バタフライに「貝独楽だよ、知らないのかね?」と言われる。
べーごま、ベイゴマ?
「ああ、独楽に似たものですね」
「本来は大正時代にブームを巻き起こす代物だが、偶々幾つか見つけてね、子供の頃を思い出すよ。信二や彼はベーゴマの良さを理解している」
「居るわよね。たまに一つのものに固執している男って、車とか食器とかそういうものをコレクションする男に聞きたかったんだけど。何が良いわけ?」
「あ、それ私も思ってました」
私も雑食気味に色々な物に手を出して、次々と興味を引く物を読んだり確かめたり集めたり調べたりしていましたけど。一つの物に拘ったことは無いですね。
「───幾つか理由はあるが君達に分かりやすくシンプルに答えるなら『コイツはカッコいい』と思った。スーツに拘る男、時計に拘る男、靴に拘る男、ゲームの機材や煙草の葉巻、紅茶、珈琲、様々な物に拘り抜く。私達は自分のロマンを追求しているのだよ」
「うんうん、その通りだぜ」
「分かるぞ。吾もそういう男だ」
三人の和気藹々とした反応に戸惑いつつ、ススハムの隣に腰かけて「ブランドのコスメを選ぶみたいなものですか?」と自分の思ったことを聞けば「ああ、そういうことね」と彼女も納得してくれた。
しかし、楽しそうに中庭に向かう三人を止めることも出来ず、私は用意していたお茶菓子を机に置き、ドンと親分、個魔の方と遊んでいたしとりを連れてきて、四人と二匹で一緒にお菓子を食べる。
ドンと親分の分は動物用のおやつを作っていたものをペット用のお皿に盛ってあげ、しとりはクッキーを美味しそうに食べて頬っぺたを押さえています。
「アタシ、相楽カッケマッの作るクッキー好きなんだけどさ。お菓子の会社とか作ったらバカ売れすると思うのよ、どう?」
「……良いですね。しとりやススハムさんの息子さんにも食べてもらえるって事ですもんね」
「まあ、そのときは呼んでよ。アタシの足なら最速で配達してあげるわよ」
「フフ、韋駄天の運送屋さんみたいですね」
「ん!いだてん!」
パタパタと足を動かすしとりを見て、クスクスと笑いながら「しとりは私のところに駆けつけてくれる、とっても優しい韋駄天さんですよ」と頭を撫でてあげる。