ススハムとしとりと個魔の方と一緒にベーゴマを楽しんでいる青年と壮年の間の男の人を眺めつつ、左之助さんも彼方に加わってしまい、どうしたものかとクッキーを食べ終えたしとりの頭を撫でながら考える。
すねこすりの親分はクズリのドンの背中に乗って、のそのそと部屋の中を周り、ぼんやりと動いている。ほのぼのとしているけど、白面の者の放った刺客や妖怪は刻一刻と迫っている可能性もあるんですけど。
どうしましょう、このベーゴマ大会。
「母ちゃん、ん!」
「フフ、ありがとう」
クッキーを差し出してくるしとりに食べさせてもらう。私のお口にクッキーは一口じゃ入りきらないから押し込まないでね?としとりからお菓子を受け取り、しとりの頭にクッキーが溢れないように出来るだけ口を大きく開けて、頑張って食べてみせる。
な、なんとか食べれた…。
「しとり、アタシにもくれ」
「ん!」
「ガボッ!……んぐっ、勢い強すぎない?」
「す、すみません。大丈夫ですか?」
「平気だよ。へーき、ビックリしたけど」
口許をゴシゴシと拭くススハムにハンカチーフを差し出すと「アンタ、アタシより年下なのにマジで母性強すぎるわね」なんてことを言われ、一瞬だけ奈落から視線を感じたものの彼はベーゴマに夢中だ。
戦国時代に飛ぶ前から視線を感じていたけど。なんなら五年前に手助けしてくれたときから、不穏な視線を感じることは多々ありましたけど。
まさか転生者の方の奈落もなのかな?
「はむちゃん、ごめんね」
「怒ってないわよ。でもハムちゃんはやめない?」
「ん!やだ!」
「ああ、そうなのね。ハムちゃんかあ……」
「ハムスターみたいですね」
「やめな?とっとこになるじゃないの」
そう言って笑うススハムに釣られて、クスクスと笑っていると私達のやり取りが気になったのか。左之助さん達はベーゴマを回すのをやめて、居間に戻ってきた。
「次はコレを試してみるかね」
「……かみ?」
「あー、あれよ、えっと」
「メンコか、懐かしいな」
「吾は好きだったな、徳川とか」
……たまに思うけど。
ドクトル・バタフライ達の転生前の年齢って五十とか六十を越えているのでは?
そう考えながら自信満々にメンコを取り出して、更によく分からない玩具を出していくドクトル・バタフライにしとりはキラキラした眼差しを向けている。
「しとり君もやるかい?」
「やる!」
メンコを受け取ったしとりがメンコを地面に叩きつけた瞬間、見事に全員のメンコが跳ね上がった。やはり力こそパワー、なのでしょうか。
「ん!しとりのかち!」
そして、私の娘は今日も可愛いです。