「さて遊びはここまでにしよう」
その言葉と共に左之助さんとしとりは糸の切れた人形のように私の膝に倒れ込み、静かに寝息を立てて眠ってしまった。また、武装錬金の応用で眠らせましたね。
そういうのは危ないからやめて欲しいです。
「先日、才賀貞義と接触した。まだ転生者は産まれていない事を考えるに平成か昭和の終わり頃に産まれると私は想定している」
「また増えるのか。でも平成まで生きるにしても百歳は越えてるし、老衰して戦うのは難しそうだな」
負けて死ぬと考えないところは本当に不破の一族ですよね。その強い精神は見習いたいけど、不破信二の様にアグレッシブに生きるのは無理だな。
「まあ、私は参戦するつもりだが」
「アンタの事は心配していないけど。才賀貞義って確か相楽カッケマッが描いている『からくりサーカス』のラスボスだったわよね?」
「はい。他人の身体に記憶と精神を塗り替えて生きているタイプの敵です。少なくとも私の記憶に誤差も誤認もあり得ませんから才賀貞義は二人目───ディーン・メーストルの乗り移った身体です」
「そして、まだ彼の正体を明かす段階ではない」
そう、三解のフェイスレスが加藤鳴海を助けたところで話は止まっていて、今は才賀貞義の本性も正体も作中には出てきていない。
それなのに彼は「三解」を知っていた。既に身に付けている?いや、三解のフェイスレスの戦闘場面は描いていたから自己に取り入れた可能性もある。
「……アンタ、マジで疫病神憑いてない?」
「こ、怖いこと言わないで下さい。この世界って神様も普通にいるんですからね?」
「その神子やってるのがアタシよ」
そうでした。
ススハム、サンピタラカムイに選ばれた湖の守護者だった。私も神酒は貰えましたけど、全然体力もつかなかったけど。やはり「特典」の効果は強すぎて、神酒の効能を悉く潰してしまっているのだろうか。
「吾は知らぬ漫画だから先の展開は分からん」
「私は知っているよ」
急にマウントを取った。なぜ?
「(……しかし、この『物語』を繋げる能力って私の死後は誰かに移ってしまうのかを検証することは出来ないですし。その頃にはドクトルに全てを任せることになってしまいますね)」
「糸色君の周囲に護衛を置くべきなのだが、最近の左之助君は嫉妬深くて男女問わず二人で過ごすとなると嫌悪感を示している」
「コイツ、束縛系かよ」
「フフ、愛を感じますね♪︎」
私だけを愛してくれるのはとても嬉しいです。