何故、私達の家に集まるのだろう。
そう疑問と困惑を抱きつつ緑茶を淹れた湯呑みを全員に差し出して、しとりを膝の上に座らせている左之助さんの隣に座って斎藤一、永倉新八、鷲塚慶一郎の新撰組の三人と向き合う不破信二を交互に見る。
ドクトル・バタフライ、もしくはススハムを呼んで貰えると助かるんですけど。いきなり山の中に入って、呼びに行けるほど私はアイヌの生活を詳しく把握しているわけじゃない。
「土方さんは何処にいる?」
「北海道には居るよ。まあ、居場所は知らねえけど」
そもそも覚えていないというだけなんでしょうね。
時系列を組み合わせて考えるとまだ土方歳三は網走監獄に移送する以前、確か今は樺戸集治監に幽閉されているはずですけど。
その事を語るのは止めておきましょう。
物凄くピリピリしている新撰組に詰め寄られたら私は失神すると思う。しとりも左之助さんに抱き着いて、斎藤一達を警戒してしまっている。
「居場所を知らないね。じゃあ、土方さんは民間人や警官の入れない場所に居るって事か」
「永倉殿、それは早計ではないか。何処かに潜伏しているという可能性も否定することは出来ない。……いや、あの人は隠れるなどしないか」
「こういうのは最後に戦った陸奥のヤツに聞けば良いじゃねえかよ。少なくとも函館戦争の時、陸奥は土方歳三と戦っている筈だ。そうだろ?」
いきなり私に話を振ってきた不破信二に驚きながら新撰組の三人の険しい視線にビクリと身体を震わせ、コクコクと頷くことしか出来なかった。
「チッ。坂本と一緒にいたアイツか」
「あー、あの男なら納得できるわな」
「私は会ったことは無いが、それ程の御仁か?」
「少なくとも修羅の化け物だ。人のまま神様に喧嘩を売り続けて未だに不敗の一族。そんで不破は分家筋、何処で別れたのかは知らないけどな」
永倉新八の解説に「陸奥は八百年、不破は四百年だ。分家に別れたときに何かあったのは知っているが、アッチには陸奥を継ぐヤツもいる」と言葉を付け加えた。
「話が逸れたが土方さんは生きているんだな?」
「ピンピンしているんじゃねえか?俺も会ったのは最後の死合をするために忍び込んだときに偶然見掛けただけだからな。いや、アイツは強かった」
……この人って戦うことしか考えていないですね。
しかし、樺戸集治監にいる強い人とは?流石に人斬り用一郎と戦いに行っていたなんてことは不破信二の性格を考えるとあり得そうですけど
この人の事を考えると本当に訳が分からなくなる。
まあ、修羅だから仕方ないと諦めよう。