某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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早まる物語 破

「ドクトル、設計図届けに来ましたよ」

 

「嗚呼、来ていッ……聞こえていたのかね?」

 

「……まあ、はい」

 

どうしようもない現実というのは、いつだって訪れますから仕方ない事です。死ぬのは怖い。一度それを経験している分、その事実を受け止めるのは恐ろしい。

 

「不破君、謝りたまえ」

 

「良いですよ、不破さんは修羅なのでそういうものに疎くなっているのは知っていますから」

 

「いや、俺が悪いのは分かってる。ごめん」

 

「はい、謝罪は受け入れます。それで、ドクトルにお願いがあるんですけど」

 

「何かね?何でもとはいかないが聞こう」

 

真剣に私を見つめるドクトル・バタフライの優しさを嬉しく思いながら「出来るだけ、長生き出来るようにしてもらえますか?」と自分でも無理難題だと分かっている苦行を彼に頼んでしまった。

 

もっと生きていたという私の傲慢さを彼に押し付けて、お願いを叶えて貰おうとしている。本当に私は浅ましく卑しいほどに情けない。

 

憧れた漫画の主人公のように力強く決して折れない心を持てず、他人にすがり付いて、一人じゃ生きていけない弱さに怯えて、この世界に恐怖を抱いたまま変われずにいるのかも知れない。

 

「最善を尽くそう。私はドクトル・バタフライ、この世界の全てを観測するホムンクルスであり、か弱き命を育み、この世界を繋ぐ糸色景という人間のお友達だ」

 

「……フフ、なんですかそれ?」

 

「原因は俺だ。俺も何かに使ってくれ」

 

「なら私の言うものを揃えてほしい。この世界は『らんま1/2』とも繋がっている。現在の清国にあるのかは不明だが、女傑族の秘宝の一つに『斬毒刃(ザンデユダオ)』という毒を斬る武器がある」

 

「医療用に加工するのか?」

 

「世界各地の物を使えば可能性を高めることは出来る。地下室にいるMrs.に頼んで試作品のプロペラ機を貸して貰ってきたまえ。ロンドンの仕立て屋にも行ってきてくれ、手術するときに彼女の手もいる」

 

……この時期って、まだ気球じゃなかったかな?と思ったものの。きっと気のせいだと割り切って、しとりと一緒に慌ただしく動き始めるドクトル・バタフライと不破信二の事を見つめる。

 

それにロンドンの仕立て屋ってしとりの服を作ってくれたりする人ですよね。女の人だったんですか、それも今日初めて知りました。

 

「ん。げんきになった?」

 

「お母さんは元気ですよぉ?」

 

「……んっ、いっしょにいてね」

 

「えぇ、一緒に居ましょうね」

 

私に抱き着くしとりを抱っこして、ソファに腰掛けて忙しく準備を整える二人の事を眺める。私のために沢山の人が頑張ってくれるなら、私が諦めたり嘆いたりするのは絶対にダメですよね。

 

 

 

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