某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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偽・日本一の喧嘩屋 序

「オレを誰だと思っていやがる!オレは相良佐之助、日本一の喧嘩屋だぞ!!」

 

しとりと健康のためにお散歩していたとき、とんでもない怒鳴り声と左之助さんの名前が聴こえてきて、料理処の暖簾の奥を覗いてみると恰幅の良いおじさんが赤い法被を来て、背中に『()一文字』の文字を背負っていた。

 

左之助さんの背中に刻んでいるのは「()一文字」の文字であり、シンプルに漢字を間違えていて髪型はツンツンではなく沢下条さんのように逆立っている。

 

うん、見なかった事にしよう。

 

「(そういえばアニメオリジナルのお話で『偽・緋村剣心』が登場するというものもありましたけど。まさか北海道にも偽者が出没するとはビックリです)」

 

そう思いながらしとりと一緒に騒動に巻き込まれないように離れて、甘味処の店主さんにお団子とお茶を注文して、ぼんやりと空を見上げる。

 

こういうときって本人か知人の登場で偽者の正体がバレて逆上し、あっさりと返り討ちに遇ってしまうのは王道のパターンではありますね。

 

「はいよ、お団子ね」

 

「ありがとうございます。しとり、串を喉に刺さないように食べるんですよ」

 

「ん!いただきます!」

 

綺麗な丸い串お団子の一番上を口に入れ、美味しそうにお団子を食べるしとりの笑顔にほっこりとしながら三島兄弟と斎藤一を人混みの中で見つけた。

 

背丈の高い人は見付けやすくて助かります。

 

「ん!母ちゃんあげる!」

 

「フフ、ありがとうございます」

 

今度は姿お兄様と鎌足お義姉様ですね。

 

腕を組んで仲良し、素敵です。

 

しかし、なんで偽者と遭遇した日にこうも怒ったら大変な人を見かけるのだろう。しかも全員が同じ料理処に入店して行っている。

 

「おだんご、おいしいね!」

 

「そうですね。お団子美味しいですねえ」

 

モグモグとお団子を噛む度、程好い甘さと弾力を楽しみながら一本目を食べ終わったしとりが二本目を食べる前に温かいお茶にフーフーと息を吹きかけ、少しずつ冷まして飲んでいる姿の愛らしさに炭筆と手帳の頁が何枚も埋め尽くされてしまう。

 

「しとりは一杯食べて大きくなってね」

 

「ん!」

 

「しとりは良い子でお母さんは嬉しいです」

 

よしよしとしとりの頭を撫でていた次の瞬間、自称・日本一の喧嘩屋を名乗っていた左之助さんの偽者がお店の外に弾け飛び、ヒラヒラと何か紙切れが舞い上がるのが見えた。

 

「喧嘩代行屋、相良佐之助……全部違ってる」

 

こういう準備して、きっと東京の偽者騒動の一人だったんでしょうけど。見事に縄張り争いに敗れて北海道までやって来たんでしょうね。

 

 

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