「じぃじ、じぃじだよぉ?」
「じいちゃんでもいいぞぉ?」
「ん!」
でろんでろんに甘ったるい声を出す厳ついお義父さんと、いつも以上に笑顔で甘ったるい声を出すお父様の二人のお茶とお菓子を用意した、私の後ろに隠れるしとりに二人はショックを受けている。
この子は元気な可愛い女の子ですけど。
私の子供ですから人見知りもそこそこしてしまいますよ。緋村剣心も最初は話しかけることも出来ず、警戒されていましたからね。
「景、是非ともじぃじと」
「じいちゃんでも可だ」
「私に言われても困ります。左之助さん、しとりと一緒にお父様達と遊んであげてほしいです」
「遊ぶって言ってもよ。しとり、すげえ親父と親父さんのこと警戒してるぞ?」
まあ、そこはお父さんとして左之助さんがベストな落としどころを見つけてくれると助かります。なんだか私が混ざると大変な事になりそうなので。
「しとり、右喜達なら大丈夫か?」
「うき?」
「私だよ、しとりちゃん」
ヒラヒラと手を振る右喜さんと左之助さんを交互に見比べ、恐る恐る右喜さんに近づいたしとりと握手しながら「一緒に遊ぼう」と笑い掛け、しとりも右喜さんに誘われて嬉しそうに頷いている。
やはり、可愛いですね。
「(私より歳上なのに義妹ですけど。右喜さんは左之助さんと同じでとても優しい人です)」
「右喜さん、あとで私も抱っこしたいわ」
「えと、しとりちゃんは大丈夫?」
「ん!ばあちゃんすき!」
「あら、嬉しい」
よしよしと二人一緒にしとりの頭を撫でている右喜さんとお母様に対して、更にショックを受けているお父様とお義父さんの顔に苦笑してしまう。
初孫フィーバーしているのは知っていましたけど。
そこまでショックを受けるものなんですね。私もいつか体験できると良いんですが、それも中々に難しく思えてしまう身体なので羨ましい。
「……ちょっと失礼しますね」
居間を出て寝室の戸棚を開けて薬包紙を取り出していた瞬間、窓の外に気配を感じて、そちらに視線を向けると姿お兄様が「やあ、お母様達が来ているみたいだね」と楽しそうに話しかけてきた。
「姿お兄様、私達は兄妹ですけど。寝室の窓に張り付いて笑うのはダメだと思います」
「流石に私もダメだと思うわよ?」
「まあ、そう固いことは言わずにさ。お土産も沢山買ってきたからね、久しぶりに会う家族団欒に僕達も入れてもらえるかな?」
「家族団欒なんですから許可は要らないですよ?鎌足お義姉様のご紹介もしてあげて下さいね。私はまだお薬を飲んでいないので」
そう言ってカーテンを閉める。
名残惜しそうにする姿お兄様と、お嫁さんとして紹介される展開に喜んでいる鎌足お義姉様を見送り、今後こそお薬を飲むことが出来た。