某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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核鉄の使い方 序

超常の合金「核鉄」───。

 

私の弱った身体を維持するために貸し与えられたシリアルナンバー「XX(20)」の核鉄は熱を帯び、私の身体の治癒能力と生命維持装置としての役目を担ってくれている。ただ、斎藤一に一時的に貸していたときは、熱を感じることはなかったそうです。

 

一体、この核鉄は何に成ろうとしているのか。

 

黒い核鉄と違って原型のまま百個存在する。

 

さらに正確に言うと一から三を除いて、九十七個ほど存在する核鉄の三割はドクトル・バタフライの所有物であり、出産時やこの前のエネルギードレインを受けた際、お借りした記憶はまだ新しい。

 

何故、こんな話をするのか?

 

「動いていますね」

 

「お、おう、動いてるな」

 

私の核鉄が独りでに動くことを覚えてしまったからです。核鉄を使う条件は闘争本能、戦う意志と強い想いがなければ使うことは出来ない。

 

その筈なのに私の核鉄は机の上を動いている。左之助さんにも見えているから、私だけが見ている幻覚というわけではない。

 

「あ、止まりました」

 

「……何だったんだ?」

 

「付喪神になっていたとか、でしょうか?」

 

「このご時世だ。あり得るかあり得ねえかで言えばあり得ることだが、自分の常識に妖怪や幽霊が居るっていうのは未だに戸惑うな」

 

「そうですね。私も驚きます」

 

「私としては核鉄の変化は興味深くて楽しみだよ。未来であの男が触れたとき、どの様に面白く変革を遂げるのかも見てみたいものだ」

 

しれっと私達の会話に入り込んでいたドクトル・バタフライに驚きの余り悲鳴を上げそうになり、ドクドクと激しく脈打つ心臓の痛みに胸を押さえて浅く呼吸を繰り返して、ゆっくりと呼吸を整える。

 

「すまないね。驚かせてしまった」

 

「い、いえ、大丈夫です」

 

「景、横になるか?」

 

「すみません、お願いします」

 

そう言うと左之助さんは私の身体を抱き上げ、ベッドまで連れていってくれ、優しく布団を掛けてくれた上に額に接吻までしてくれました。

 

ドクトル・バタフライもいるのに恥ずかしいです。

 

「夫婦仲の良さは最高のようだが、左之助君は紳士(ジェントルマン)としてやるべき事は額へのベーゼではなく、不安に怯える愛しのLadyの手を握って眠るまで待ってあげることだと私は思うよ」

 

「……景、手ぇ握るか?」

 

「お、お願いします」

 

私の不安を一目見ただけで見抜くなんて流石はドクトル・バタフライですけど。左之助さんが自分じゃ気付けなかった事にムスッとしてしまっています。

 

カッコいいのに、可愛いです。

 

 

 

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