某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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戦骨の野望 破

いつも一緒の三人は少しずつ貯金を貯めているらしく、左之助さんや漁業組合、外国の交易相手も三人の働きぶりに感心して、臨時報酬という名目で若い子供が元気に働く姿に給金を上乗せしているそうです。

 

どの時代でも元気に働く子は応援したくなります。

 

ただ、未だ抜ける気配のない志々雄真実の遺刀であり、長谷川君の手に渡っている無限刃にどす黒い何かが巻き付いているように見える。

 

白面の者や奈落など生命の危機に関わる事に巻き込まれた結果、私の中に流れる霊媒師としての糸色の血に何かが起こっているのでしょうか。

 

「(左之助さんに伝えたら取り上げる可能性もあるから先に長谷川君に伝えるべき?三人とも妖怪を見ているし、信じてくれるとは思うけど)」

 

「ん!母ちゃん、みて!」

 

「フフ、なんで、す……えぇ?」

 

しとりに呼ばれて病室の出入り口を見るとそれはもう大きく筋肉質な河童が、武田観柳のところで胡瓜による圧政を強いていた河童の河太郎が佇んでいた。

 

どうして、ここに?

 

「おお、わしが会いに来たぞお。人間の、病に伏したららしいからあ……河童の軟膏持ってきたでなあ」

 

「ご、ご丁寧にありがとうございます。えと、今はお味噌を持っていないのですが、お薬と交換するのは少しだけ難しいです」

 

「いんやあ。今回は違うぞお、懐かしいぃ気配を感じたから見に来ただけだあ」

 

「……あ、これですか?」

 

しとりが姿お兄様から受け取った黄金の柩を見せると「おお、相も変わらずの威圧だなあ…」と言い、のそのそと帰って行ってしまった。

 

結局、何がしたかったのかしら?

 

「ん!きゅーりもらったあ!」

 

「胡瓜は美味しいですからね。しとりも好き嫌いなくお野菜を食べれてとても偉いです、良い子ですよ。なので籠一杯に積った胡瓜を引っ張らないでほしいです」

 

「ん!ん!」

 

河太郎の持ってきてくれた胡瓜は、新鮮な胡瓜のため水で洗わず、ヘタを切ってしまえば直ぐに食べることの出来る鮮度の良さです。果物ナイフを手に取り、両端のヘタを切ってしとりに胡瓜を差し出す。

 

「いただきます!」

 

「フフ、しっかりと言えて偉いですね♪︎」

 

パリパリ、ポリポリと心地好い歯応えの音を聞きつつベッドの上で身体の向きを変え、しとりを抱っこするためにベッドの縁に移動する。

 

また少し重く大きくなった彼女の身体を抱き締めながら部屋の端にある三畳間の畳に座り、ちゃぶ台にお皿を置いてしとりが胡瓜を置けるようにする。

 

「母ちゃん、きゅーりおいしい!」

 

「今度河童さんに会ったらお礼を言いましょうね」

 

「ん!」

 

私の言葉に頷いて、また胡瓜を頬張るしとりの口許をハンカチーフで拭いて上げ、二本目を食べたいと言う彼女のために胡瓜の両端のヘタを切り落とす。

 

 

 

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