こっそりと千年パズルを取り出して眺める。
やはり見ただけで作り方は簡単に分かる上、何か中に入っているのが分かる。戦骨の魂か意識なのは間違いないけど。組み立てて聞けば分かるのかな。
そう何者かに後押しされるようにパズルのピースを動かしていたその時、私の手を掴んで止める大きな手が黄金の欠片を弾き、私の意識は戻った。
「景、自分で作るなって言ったじゃねえかよ」
「あっ、え、すみません?」
ぼんやりとしながら左之助さんの言葉に謝りつつ、あと少しで完成しそうになっている手元の千年パズルにビクリと身体が強張り、左之助さんの腕に抱き付く。
知らない。
こんなに進めていたなんて覚えていないです。
さっきまで普通に眺めていただけなのに半分以上もピースが組み合い、あと目のマークを嵌めれば終わるところまで手順は進んでいた事に怯え、左之助さんに千年パズルを元通りに解体してもらう。
闇のファラオのつもりですか、全く。
個人的にはクリスタルで出来た光のピラミッドの方も好きですけど。むしろ内部に封じ込められた魂はこの世界のラスボス並みなんですよね。
「左之助さん、お散歩に行きたいです」
スヤスヤと眠っているしとりの頭を優しく撫でて、左之助さんにお姫様抱っこして貰いながら病室の外へと出て、薄暗い研究所の通路を歩いて、待合室とも談話室とも言える場所のソファに彼と一緒に腰掛ける。
「教えてくれ。何があったんだ?」
「あのパズルを見ると組み立てる手順が見えるんです。それもさっきみたいに無意識にパズルを作ることを促すように」
「……戦骨の野郎の魂がそれを望んでいるのか」
「あのパズルの中に戦骨の気配はあるんです。でも、あのパズルの中には別のものもあるように思えて、姿お兄様が私ではなくしとりに手渡した理由もありますし」
「じゃあ、作ってみるか?」
その言葉に困惑して左之助さんを見つめる。
「景やしとりじゃなくて別のヤツに作ってもらえば身体を乗っ取られる心配もないだろ?ただ、オレは一回取り憑かれた経験があるから無理だろうが」
そういえば、取り憑かれていましたね。
「それに景の身体にアイツが取り憑いたら絶対に妖怪相手でも喧嘩しに行くだろ。いくら戦骨が強くてもお前の身体じゃ危ないからな」
そう言って私の身体を抱き上げ、足の間に座らせてくれた左之助さんの体温の心地好さに安堵の吐息をこぼす。そうですね、別に私が完成させる必要は無いんですよね。
誰かに代わりに作って貰えば良いんです。