某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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【絶姿】

姿形、消息の消えることを意味する。

男女を兼ね備える体の目視できぬ超神速の剣士


お見舞い品 序

先日の謎の生き物を見たのは一度きり。

 

あの生き物が何だったのかは分かりませんが、野生の本能で警戒心を顕にしていたドンと親分の事を考えると中々に恐ろしい生き物だったのかも知れない。

 

「景、荷物届いてたぞ」

 

「え?呼び声なんてしませんでしたよ?」

 

「そうだよな。でも、玄関の戸の前に置かれてたぜ?」

 

明治時代に置き配をする人がいるのかと驚きながら左之助さんの抱えている小さな小箱を見つめる。変わったところはない、変に凝った装飾も付いていない普通の木製の小箱なのは間違いないですね。

 

でも、どうしてウチにこんなものが?

 

そう首を傾げる私は左之助さんの隣を付いていき、居間でドンと親分をモデルにお絵描きをするしとりも左之助さんの持つ木箱に視線が吸われる。

 

「やっ!」

 

「まだ開けてないのに嫌がりましたね」

 

「景の神通力が遺伝したんじゃねえか?」

 

「そういうものは無いんですけどね。みなさん、私を捕まえると兵器なら何でも生み出せると勘違いしてしまっているんです」

 

「観柳もそうだったし、剣客兵器もそうだな」

 

左之助さんの言葉に頷きつつ、木箱を警戒するしとりの意思を尊重して木箱を開封せず、しとりも怖がらないように抱き締めてあげながら、左之助さんが木箱を家の外に持っていくところを一緒に眺める。

 

「しとり、何が嫌だったの?」

 

「ぐちゃぐちゃしてるの…やだ」

 

「グチャグチャ…?」

 

なんとなく木箱の中に入っているものの中身が分かり、しとりの霊能力の高さに感心するものの、あまり霊力が高いと妖怪に狙われてしまう。

 

私の可愛いしとりが襲われるのは嫌です。

 

おそらく木箱に納められていたのは肉つきの面でしょう。どこかで妖怪を退治したという噂を聞き、押し付けるようにお面を納めた木箱を置いていった。

 

「(───けれど。左之助さんは幽霊を視る力はない。私も霊能力は使えなかったけど、白面の者や奈落と接触したちめ霊視は出来る程度に使えるだけ)」

 

しとりの自衛手段はドンと親分、個魔の方による使役した式神を操っているようなものですし。やはり、お父様に霊能力の使い方をレクチャーしてもらうべきでしょうか。

 

ただでさえ最強の可愛さを持つしとりが霊能力なんて使えるようになったら、世界一どころか宇宙一の最強に可愛い霊媒師になりますけど。

 

それもしとりの将来の候補ですね。

 

あくまで選ぶのはしとりですから、沢山の事を教えてあげたいです。左之助さんのお仕事を手伝ったり、姿お兄様のように世界中を冒険したり、しとりならきっと素敵な出来事も辛いことも乗り越えていけます。

 

 

 

 

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