某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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姫と動物の中庭 序

ドンと親分の縄張りと化している我が家の中庭。たまに他の動物も紛れ込んでくるけど。二匹の圧力に負けて、全力で逃げていくことが多い。

 

二匹ともしとりが大好きで、いつも傍にいてくれて仲良くしてくれる娘の大切なお友達です。ただ、やはり二匹のお散歩を一人で行かせるのは不安です

 

「しとり、本当にお散歩は一人でも平気なの?」

 

「ん!へーき!」

 

フンスと胸を張っているしとりの影に視線を移すと「私も付いているから妖怪や誘拐に巻き込まれることはないから安心して良いよ」と個魔の方が言ってくれる。

 

信頼も信用もしていますけど。

 

お母さんとしては凄く不安なんです。

 

「しとり、しっかりと手綱を握るんですよ?」

 

「ん!がんばる!」

 

そう言うとしとりは左之助さんのお弁当を小さな籠に入れ、縄で作ったリードを握り締めて、左之助さんの働いている港の交易場へと歩いていく。

 

その後ろをこっそりと付いていくべきかと悩みながらも娘の成長を信じ、居間に戻って、また玄関に向かう、ということを何度も繰り返してしまう。

 

左之助さんにはしとりが一人だけでお弁当を届けに行くことは伝えているけど。しとりは可愛いから、悪い人に見つかるかも知れない。

 

そして、結局私はしとり達の事を遠くから見守るために着いてきてしまっている。しとりの成長を信じているけど、心配してしまう。

 

「糸色、何をしているんだ」

 

「さ、斎藤さん、これはその、見守り中で……」

 

「……嗚呼、娘のお使いか。母親なら心配するのも分かるが、飼っている生き物も一緒に居るなら心配する必要はないだろう?」

 

「そ、そうですけど。心配なんです」

 

私の言葉に呆れたように「阿呆が。それなら一緒に行けば良いだろう」と額に軽くデコピンされ、ヒリヒリとした痛みにおべこを押さえながらも斎藤一を見上げる。

 

「それにお前は身重の身体だ。相楽も心配する」

 

「……はい、すみません……」

 

その通りなので家に帰ろうとしたら斎藤一に肩を掴まれ、まだ何か言われるのかと不安になりながら彼に近付くと「娘のお使いが終わるまでだ」と言い、私の護衛になってくれるそうです。

 

めおと先生、ありがとうございます。

 

「しかし、俺の子より年下だろう。よく一人でお使いをさせようと思ったな」

 

「しとりにお願いされて、その」

 

「断れなかった、と。お前は母親としては家内と同じく良妻賢母のようだが、しっかりと叱ることも怒ることも覚えてやっておけ。自尊心を無駄に高めるだけだ」

 

そう言うと斎藤一は私と一緒にしとりとドンと親分の個魔の方と一緒に歩いています。ああ、左之助さんのお弁当を届けてくれるしとりが可愛いです。

 

 

 

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