三日ほど核鉄の山に押し込まれていた左之助さんと不破信二の二人は傷付いていたのが嘘だったかのように傷だらけだった身体は完全回復していました。
私も受けたことありますけど。
体力と生命力が持たなくて数分毎に十数分のインターバルを挟まないと、まともに生命維持する事の方が難しかったですね。男の人や元気な子供は走り回れる体力が多くて羨ましいです。
「あ゛ッ…んん゛ッ…」
「……景、肩揉みで変な声出すなよ」
「だ、出しているつもりはないんですが、ふぎッ、左之助さんの触り方が変なんですよっ」
「しとりもやる!」
そう言うと私の後ろに座っていた左之助さんの膝の上に座ったしとりは小さな手で私の肩を揉んでくれるものの、柔らかな手が触っているだけでした。
う、嬉しいですけど、肩揉みはまた今度ですね。
「ありがとうございますね、しとり」
「ん!まだやる!」
「ハハハ、オレに似て頑固だなあ?」
「ん!」
フンスと可愛らしく胸を張るしとりに向き直って、よしよしと頭を撫でてあげる。
左之助さんは頑固なのかは微妙ですが、始めたことを貫き通すカッコいい人なのは事実ですから、しとりもそういう人になってほしいわ。
「手術、大丈夫そうか?」
「ドクトルですから大丈夫ですよ」
まあ、もしものときはホムンクルスかフランケンシュタインにされたり、欠片を身体に仕込まれたり、無理やり戦国時代に送り込まれて、殺生丸様に天生牙の癒しを受けることになるかも知れませんけど。
その時は直ぐに壊して欲しいですね。
私なのに私じゃありませんから。
そう誰にも言えないことを心の中で思っていると左之助さんのお膝の上に座っているしとりが、こくり、こくり、と頭を揺らし始めていた。
「フフ、寝るならお布団に行きましょうね?」
「んぅ…やぁ…」
「景、オレが運ぶから布団頼めるか?」
「分かりました。しとり、今日はお母さんとお父さんと三人で一緒に寝ましょうね?」
「こまちゃんもいっしょお……」
「私もか?まあ、影の中にいるよ」
ドンと親分も自分の寝床の籠の縁を噛み、いそいそと私達の後を着いてくる。フフ、今日はみんなでお休みなさいの時間ですね。
明日もまたその次の日もしとりや左之助さん、個魔の方もドンも親分もみんなと一緒に過ごせるように、ドクトル・バタフライには頑張ってもらわないとです。
この心肺を蝕んでいる病気を治す手術は不安ですが、みんなと生きていくために私も頑張ります。そうしたらしとりとお腹の子の成長もずうっと見ていられます。