某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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不破に敗北の二字は無い 急

無事に手術は終わった、たぶん?

 

ドクトル・バタフライの研究所の病室に眠っていただけで、手術を受ける前に麻酔を射たれた記憶はあるけど。その後の記憶は目を開けていれば細部まで覚えていることは出来たと思う。

 

「(胸に手術痕もない…)」

 

はだけた着物の奥には傷一つない白い肌のあるだけで、何も気にする必要なんてないくらい普通だ。呼吸に掠れや痛みも無くて無事に終わったんだと漸く理解し、私は安堵の息をこぼしてしまった。

 

「Good Morning。糸色君の手術は何事もなく終わったわけだが、君の心臓と肺を蝕んでいた部位を切り取ってみたけれど。見てみるかね?」

 

「い、いやです」

 

「まあ、当然だろうね。君の手術をするのは三度目だったかが、善き友人を亡くすことにならず、私は心底安心しているよ。ありがとう」

 

「……はい。助けてくれてありがとうございます」

 

「────とはいえ、だ。暫く君は安静に過ごすように!それと君のお腹の子も無事だよ、母子共に生きることを諦めなかった」

 

そう言うとドクトル・バタフライは私の頭に優しく触れ、クシャリと髪の毛を崩すように撫でて、そのまま病室の外に出ていった。

 

フフ、なんだかお父さんみたいですね。

 

お父様に気付かれたら泣いて怒るかも知れませんが糸色景として生きているのは彼のおかげでもありますから、第三の父親とも言えます。

 

「は、入るぞぉ?」

 

「ん!母ちゃん!!!」

 

ガラリと病室の扉を勢い良く開けたしとりはベッドの縁に飛び付き、私の手を握ってくれ。左之助さんは安堵したように深く重苦しい溜め息を吐いて、その場に座り込みながら私を見上げてきた。

 

「左之助さん、もう大丈夫みたいです」

 

「……本当だろうな?」

 

「嘘なんて言ってませんよ?」

 

ベッドに登ってきたしとりを抱き締めてあげ、ぎゅうっと彼女の小さな身体と暖かさを確かめていると左之助さんに心配され、少しだけ困ったように笑う。

 

「あとで恵にも礼を言わねえとな」

 

「……私の手術、恵さんも?」

 

「ああ、オッサンの仲間が連れてきてくれんだ」

 

ドクトル・バタフライの仲間?と首を傾げながら誰だろうと考える。不破信二は違いますし、ススハムも違うだろうし、一体誰でしょうか?

 

「神楽とか名乗ってたが、何者だ?」

 

ああ、「彼」が変身して助けてくれたんですね。奈落の姿だと左之助さんやしとりにも警戒されますから、神楽に変身しているのは当然ですね。

 

私としては神無さんや椿さんに会いたいですけど。

 

やはり、その願いを叶えるのはダメですね。

 

 

 

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