左之助さんの隠された欲望を知り、私はどうするべきなのでしょうか?とドクトル・バタフライの研究所にやって来て、私の手術を手伝ってくれた恵さんに相談する。
「別れなさい。超の付く変態じゃない」
「で、でも、二児の父親になりますし」
「景さん、貴女は美女よ。その気になれば引く手あまた、あんな野蛮なニワトリより幸せにしてくれる人は沢山居るわ。だから、あの変態は捨てるのよ」
「人の女房に悪知恵を教えるな」
そう病室に入ってくるなりペシンと軽く恵さんの頭を叩く左之助さんに「ちょっと女をぶつなんてどういう神経しているわけ!?」と恵さんは怒鳴るも「景はオレの事は知ってるんだ。それくらい許してくれるよな?」と左之助さんは笑顔を向けてきました。
瞳はドロリと澱み、ゾクゾクします。
な、なんだか開けてはいけない扉が見えます。
「そろそろ薫さんと剣さんも港に到着する頃ね。景さんは安静にしておくこと、昨日走ったりしたそうだけど。術後に走るなんて馬鹿な事は止めなさい」
「わ、分かりました。恵さん、また私を助けてくれてありがとうございます」
「全く、五年前に助けてくれたのは貴女でしょうに」
そう言って笑う恵さんに釣られて、私もクスクスと笑っていると左之助さんに抱き締められて、ズルズルと椅子ごと恵さんから離されてしまう。
「あっ、え?」
「……貴方、五年前より独占欲強くなってない?」
「うるせえ、好きなんだからしょうがねえだろ」
「さ、左之助さん…!」
そ、そんなに私の事を愛してくれていたんですね。
「はぁーっ。夫婦に成ってもう五年も経つのに全然愛も恋も冷めやらぬ二人なのは薫さんに聞いていたから知っていたけど、まさかこんな砂糖菓子みたいに甘ったるいなんて聞いてなかったわよッ」
大きな溜め息と呆れたように頭を押さえる恵さんを見ていると私達は年がら年中バカップルのようにイチャイチャしているのかと想像し、顔が熱くなって恥ずかしさに顔を覆い隠してしまった。
「景さん、今更恥ずかしがっても」
「み、見ないでぇ…!」
私は顔を覆って恵さんの視線を遮る。
「耳まで真っ赤だな、景」
「左之助さんは恥ずかしくないんですか!?」
「いや、好きを恥じる理由あるのか?」
「貴方、たまに凄いこと言うわね。景さん、嬉しさと恥ずかしさで動かなくなっちゃったじゃないの」
心臓を治して貰ったのに、左之助さんの言葉にドキドキした心臓が痛いです。好きなのに、もっと好きになっちゃいます、どうしましょう!
左之助さんがもっと好きになっちゃうっ。