一体、どうしょうか。
こういうときは、いつもドクトル・バタフライに相談して解決策や打開策を一緒に考えていた分、やはりどうしようもなく無自覚に彼を頼っていた自分が情けなく思えてしまう。
しかし、こういうときこそ転生者らしく解決策を簡単に思い付ければ良いんですが、私に出来るのは「封印の巫女」たる雪を見つけて、封印をやり直して貰う以外に何も思い浮かばない。
「左之助さん、お茶にしますか?」
「嗚呼、そうだな。もうそんな時間か」
「ん!しとりもやる!」
「フフ、お母さんと一緒にしましょうね」
しとりのお願いを聞き入れて、左之助さんの湯呑みと私の湯呑みとしとりの湯呑みを用意し、普通の急須より少しだけ大きなそれにお湯を注ぐため、お水を入れたヤカンを温める。
ティーポットなら直接温めるなりしていれば直ぐに出来ますけど。お茶は急須の網に入れた茶葉にお湯を掛け、じっくりと味わいを出させる方が好きです。
「しとり、ゆっくりですよ?」
「ん!」
茶葉をスプーンで掬うしとりを眺める最中、コトコトとヤカンの蓋も揺れ始め、沸騰しすぎて溢れ返る前にガスを止める。やはりガスは偉大ですね。
焚き火や薪を使わなくても簡単に出来る。
「熱いですから気を付けてね」
「ん!ぐるぐるする!」
急須の中にお湯を注ぎ、グルグルと溢さないように蓋を押さえて茶葉の風味をお湯に浸透させるために、急須をゆっくりと動かすしとりの可愛さに笑みを浮かべる。
常世の人間も可愛いものと触れ合えば安心してあの世に返ることが出来るとかそういう設定はないですし、地獄の門は戦いに飢えた人しか出てこない。
左之助さんの会いたい人がもしも戦いを願えば、いずれ会えるとは思うけれど。やはり、そう簡単に上手く物事は運ばないもので、私が不安に思うのは遥か昔から続く不破と陸奥の歴代が黄泉還ることである。
絶対に殺し合いを始めるじゃないですか。
「父ちゃんできた!!」
「ああ、危ないのでお盆を、しとり!?」
トタトタと熱いお湯の入った急須を持って走り出したしとりを追いかけるも既に居間に戻っており、左之助さんの膝の上に座っていました。
ほうっと安堵する。
「しとり、熱いものを持っているときは走っちゃダメです。こうして、お盆に乗せて運べばお茶菓子も一緒に運ぶことが出来るんです!」
「ん!」
どうですか、斎藤一。
私だって母親らしくしとりを叱ることは出来ましたよ。これだけキツく怒ったんですからしとりにお手伝いしてもらうときは安心ですね。