アの三人を集めて今回の出来事を分かりやすく伝えると最初は信じていなかった三人も真剣な表情に変わり、特に長谷川君は自分の持つ無限刃を気にしている。
それもそのはずだ。
自分には抜けないのにしっくりと来る。
そんな不思議な感覚の理由を知ってしまえば、不安になってしまうのも人として当然の事だ。そして、なにより長谷川君を取り巻く人間の半分はかつて志々雄真実に仕え、あるいは親しくしていた人達もいる。
「景ちゃんさん、どうにかならないの?」
「薫さんのお父様のように精神を強く持てば乗っ取りに抗うことは出来ますが、志々雄真実に会ったことの無い私では絶対に大丈夫とは言えないわ……でも、みんなで対策を考えれば何とかなるはずです」
「明日郎、僕達でも調べてみるかい?」
「いや、対策も調べるのも無しだ。あの男なら絶対にオレを狙う、無限刃を持っているからなんと無くアイツの考えも分かるのも知れねえ……」
「うげっ。それ予約済みってやつ?」
久保田さんと井上君の言葉も合わさり、危険を知らせる雰囲気ではなくなってしまいましたね。しかし、志々雄真実だけではなく彼の身体を狙うものはもう一人ほど居る可能性も捨てきれない。
「あっ、そういえば漁場で変な聞き込みしている人が居ましたよ」
「変な聞き込み、ですか?」
「シャチョーも見てたぜ。『あの時の決着をつけるために戻ってきた。今度は女も抜き、本当の殺し合いをしよう』とか『うふふふ』とか変な事言ってるヤツだった。なあ?」
「えーっ、私に振らないでよ。私は金物や装飾の真偽を確かめてるだけで、あんまり外には出ないようにしてるんだからさ」
「いや、出ろよ!?そして手伝えよ!」
長谷川君達の言葉と特徴的な笑い方に頭を押さえる。まさか志々雄真実よりも先に黄泉還ってくるなんて予想外……いえ、想定外すぎる。
なによりピンポイントに三人と左之助さんのところに現れたということは彼は常世の世界に居ても意識を保っていたということになる。
「三人ともその人は危険ですから相手しちゃダメですよ?最低でも左之助さんか緋村さん程の強さが無いと確実に殺されてしまいます」
「あんなおじさんに!?」
「シャチョー並みか、確かに足運びや体捌きはオッサン達と遜色無かったけど。二人より血の臭いも何もしなかったぜ?」
「馬鹿ね。明日郎、臭い消しよ」
「嗚呼、あの臭いヤツか!」
そう言ってワイワイと騒がしくなる三人に「もう仕事に戻っても大丈夫ですよ」と伝えると屈強な男衆に三人は運ばれていき、仕事に戻っていく。
しかし、最初に戻ってきたのは鵜堂刃衛ですか。
また大変な事になりそうですね。