某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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凶刃、再び 序

「うふ、うふわははははははっ!!」

 

「ぐうっ、あの時のままかッ」

 

「うひっ、うひひひひひひひっ!!」

 

「テメェは妖怪か、この野郎!!」

 

私と薫さんを中心に越えて火花を散らし、壮絶な攻防を繰り広げる緋村剣心と鵜堂刃衛の戦いを遮るように大鉾を横薙ぎに振るい、大鉾の刀身が座り込んでいる私と薫さんの頭上を通り過ぎた後、凄まじい突風が吹き荒れる。

 

横薙ぎと振り下ろし、振り上げ、その三つに攻撃パターンを抑えている蛮竜では二刀流、それも速さを活かした相手には不利だと分かっているけれど。

 

左之助さんはわざと大雑把に攻撃を繰り返し、紫鏡の意識を私達に向かないようにしてくれている。逃げるタイミングさえ分かれば薫さんに運んで貰える。

 

「チマチマとうざってぇ!!」

 

「あぎゃあッ……チ、チ、チ、血ぃ~~っ!!」

 

しかし、左之助さんは蛮竜を放り投げると同時に飛び上がり、飛び蹴りを放つ。

 

───だが、二刀を十字に構えて防御の体勢を取った紫鏡に蹴りは防がれ、ニタリと笑みを浮かべた紫鏡の顎を二足目が蹴り上げた。

 

樹木に背中を打ち付けて前のめりに倒れた紫鏡は自分の口を伝う血を見て興奮し、再び左之助さんに向かって駆け出していく。

 

「きんもちいぃなあ~~っ!!!」

 

「さっきから気色悪りィッ!!」

 

一撃必倒の二重の極みを使わず、打撃と蛮竜による攻撃を行うことで圧倒している左之助さんに嬉々として飛び掛かり、地面も木々も切り刻み、紫鏡は突き進む。

 

「剣心っ!」

 

薫さんの悲鳴じみた声に釣られ、左之助さんから視線を外して緋村剣心と鵜堂刃衛を見ると私の想像していた結果とは正反対の光景が其処にはあった。

 

緋村剣心が鵜堂刃衛に手傷を負っている。

 

「うふ♪︎あの屋敷で戦ったときより強さに磨きが掛かっている。それに比べて貴様はなんだ。抜刀斎、貴様は随分と老いてしまったなァ!!」

 

「もう、三十と幾つかでござるよ!」

 

「ござる。まだ、流浪人気取りのままか!」

 

「ぐうっ!?」

 

「えっ、わわっ、薫さんお願いします!」

 

「わ、私!?」

 

鵜堂刃衛の人外じみた腕力で殴り飛ばされた緋村剣心が私達のところに飛来し、私は薫さんにキャッチする役目を頼み、自分のお腹を守るために身体を丸く縮める。

 

しかし、衝撃や痛みに呻く声は聴こえず、恐る恐る目を開けて見上げると左之助さんが緋村剣心の事を支えるように佇んでいた。

 

「景、嬢ちゃん、向こう側に行ってろ」

 

「左之助さん、ありがとうございますっ」

 

薫さんに手を引かれながら藪の中に入り、四人の間合いから完全に外れたことに安堵しつつ、さっきの緋村剣心を受け止めることを押し付けた事を薫さんに謝る。

 

 

 

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