某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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新撰組、集う 序

昨日の話し合いは難航してしまったものの。結果として「封印の巫女」たる雪は筋書き通りに地獄の門を封印すると同時に消えてしまった。

 

そして、その封印は不完全だったため彼女と似た力を持っている可能性を持つ私を訪ねてきたということが事の発端であり、斬鉄さんは独自に動き、私に辿り着いたそうです。

 

流石は最強の忍者である。

 

「あ、そこの方、少し宜しいですか?」

 

「はい?」

 

浅葱色の羽織。穏やかな笑みなのに、どこか恐ろしくも感じる笑顔を浮かべた()が其処に立っていた。おそらく、セーフと思うべきですね。

 

もしも女の人だったら世界は終わっていました。

 

「この近くに五稜郭があると聞いたんですが」

 

「それなら……いえ、この道を真っ直ぐに歩いていけば警察署があります。そこに行けば新撰組の方達にお会い出来ますよ。沖田総司さん」

 

「ありがとう。それでは失礼致します」

 

タンと地面を蹴って走り出す彼の背中を見送りつつ、なんとも言えない気持ちになります。沖田総司、新撰組一番隊隊長の沖田総司であり、緋村剣心、陸奥出海、名だたる強者と戦ってきた風には見えない程に爽やかでした。

 

「しとり、お菓子を買いましょうか?」

 

「ん!けんちゃんにもあげる!」

 

「フフ、じゃあ一緒に食べれる物にしましょうね」

 

「ん!」

 

フンスと胸を張るしとりと手を繋いで一緒に歩いていると阿部十郎と大柄な男の人を見掛けた。悠久山和尚と同じ……いえ、彼方の方が背丈も筋肉もすごいですね。

 

「ムッ。相楽とその娘か」

 

「あ、こ、こんにちは」

 

「ん!おひげのおじさん!」

 

パタパタと阿部さんに近づいて、彼のお髭に触ろうとするしとりを追いかけると大柄な男の人がしとりを抱き上げてしまった。

 

「おー!おおーー!!!」

 

「やはり子供は今も昔も高いところが好きですね。阿部君、そちらのお嬢さん達は君の友人ですか?」

 

「服部先生、これは斎藤の仲間です。俺は一時的に共闘しただけ、あまり誇って友になるような間柄ではないと思います。まあ、俺の妻は友人のようですが」

 

じゃあ、この人は服部武雄なんですね。

 

前世の記憶にもありますが、やはり大きいです。

 

「初めまして、私は服部武雄と言います」

 

「わ、私は相楽景と言います」

 

しとりを返してくれた服部武雄の事を見上げつつ、どうして函館に戻ってきたのかを問い掛けたい気持ちを押さえながら「警察署に行けば、みんな集まっていますよ」とだけ伝えて、私はしとりとお買い物を再開する。

 

正直に言ってしまうとかなり緊張しました。だって、みんな刀を持っていて、下手に拒んだりしたら斬られるかもしれないんですよ!?

 

早く帰って左之助さんに聞いてほしいです。

 

 

 

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