某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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修羅場 序

不破信二と岡田以蔵の二人は今日も元気に喧嘩しているけれど。その理由は……えと、お店で使うお金を打診しにやって来た岡田以蔵を追い返すためです。

 

私と左之助さんにお金をおねだりする岡田以蔵はもはや稀代の天才剣士ではなく、助平なオジサンに変わり果てていて私の記憶にある岡田以蔵のイメージ像がだんだんと型月タイプの岡田以蔵に移ろい始める。

 

見た目は違うのに、なんだか嫌ですね。

 

「景、オレは浮気してねえからな?」

 

その言葉に、にっこりと微笑んであげる。

 

べつに浮気しても良いですけど、その時は百年の恋も愛も消え失せて、私は人里を離れてこの世に終焉をもたらす漫画を書き続けます。

 

「左之助さん、私は貴方の事を信じていますし。貴方以外と添い遂げるつもりもありません。───ですので、岡田さんに出資するのはやめましょう」

 

「景の気持ちは分かる。だがな、岡田の野郎は色町でも消えそうで消えねえんだよ。多分、他に未練を遺しているのかもしれねえだろ?」

 

それはそうですけど。

 

既に相楽総三と服部武雄の二人は満足して成仏しているというのに鼻の下をあんなに伸ばして、ちょっと剣士どころか大の大人にあるまじき顔付きで笑っている岡田以蔵だけはダメな気がします。

 

「そもそも岡田さんも沖田総司と同じように不破さんと決着を付けたくて残っているんじゃないでしょうか。ほら、いつも喧嘩していても二人とも本気の殺し合いにはなっていませんし」

 

「……まあ、それも有り得るだろうな。けど、いきなり『この世を元通りにするために、お前の友達を殺してくれ』なんて言われて頷けるか?」

 

「それはっ……いえ、そうですよね」

 

二人はお互いを無二の親友と認め合っている。

 

一度死に別れてしまった親友と楽しく遊んでいるのに、世界のためにまた親友を殺すことになるのは、きっと私なんかじゃ想像も出来ないほどに辛いこと。

 

「あの世も良い世界なら良いんですけどねえ」

 

いっそのことあの世を題材にした作品を書いて、私が死んでも左之助さんやしとりともずっと過ごせる世界にしてみようかな。

 

────なんて、絶対にダメですね。

 

私の「物語を繋げる能力」はドクトル・バタフライの「特典」と相乗効果を発揮し、一つの世界を描けば連なるように前世の偉大な先生達の描いた「物語」を繋げてしまうことになる。

 

下手したら閻魔大王も百人近く増えるかもです。

 

ちょっとだけ見たい気持ちもありますけど。

 

いつかあの世に行けたら閻魔大王様にまた左之助さんやしとり、みんなに出会える世界に生まれ変わらせて欲しいですね。

 

 

 

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