某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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戦いの場 急

ドクトル・バタフライの研究所の敷地内は未だに殴り合う、蹴り合う、骨肉の争いを続けています。

 

死なない身体、壊れない心、そして、意識すれば元の状態に肉体を巻き戻すという荒業みたいな事を使い始めた修羅達は依然として負け知らずです。

 

「不破さんは混ざらないんですか?」

 

「俺は以蔵と決着を付けて終わりだな。あとは子を残すなり不破の名を継ぐヤツに業を教えて、適当に日本を散歩してみるのも楽しそうだ」

 

「おい、自刃なんてすんじゃねえぞ。此方はテメェに負けた分を返してねえんだ。死ぬ前に、オレとやるために戻ってこい」

 

「三回勝負ってヤツか?良いぜ、次に殺ろう」

 

そう言うと不破信二は笑って、ドクトル・バタフライの研究所を出ていってしまった。なんだか最後の仕事を終えたような雰囲気でしたけど。

 

死にませんよね?と左之助さんとドクトル・バタフライの事を見上げるものの。二人とも私の質問に答えてくれることはなかった。

 

緋村剣心や斎藤一と一緒にいる鵜堂刃衛と紫鏡の二人は未だに黄泉に還るつもりはなく、むしろ緋村剣心達と一緒に過ごしている内は大丈夫な気がします。

 

まあ、それでも不安には変わりありませんが。

 

「オッサン、あれ止めろよ」

 

「無茶を言わないでくれ。既に神経を麻痺させるチャフを散布しているのに、彼らは倒れることもせず戦っているんだ。私に出来ることはもはや何もない」

 

「オレの蛮竜を叩き込めば動きを止めることは出来るが、流石に全員を相手に戦うのは無理だぞ。オレはまだまだ越えなきゃいけない奴らがいるからよ」

 

「ふむ。困ったものだ。もういっそのこと妖怪退治の仕事を押し付けて、放流してしまおうか?」

 

「死なない修羅が攻めてくるわけですか…」

 

こわい目が、くるよ。

 

───というセリフを思い出しました。

 

あんなギラギラと光って、お互いの弱いところも強いところも関係無しに戦って、一対一にもつれ込んでも代わる代わるに相手を変えて、また戦いは激化する。

 

ふと物音が聴こえて、後ろに振り返ると何かいた。

 

「左之助さん、左之助さん」

 

「何かあったのか?」

 

「千年パズルに腕が生えてます」

 

あの目のマークのところから右腕が飛び出し、ゴキリッ、ゴキリッ、と歪な音を立てて床を掴んだ手は木の板を握りつぶして、肩まで現れ始めた。

 

私の知っている千年パズルじゃないですね。

 

「しとり、見ちゃダメです。トラウマに」

 

「おうまさんすき!」

 

私の言葉に笑うしとりの耳を塞ぎ、目を瞑るように伝えて私達は背中を向ける。人間の出していい音じゃない恐ろしい音が聴こえてきます。

 

やだなあ、こわいよぉ……。

 

 

 

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