某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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地獄の淵 序

結局、決着の付くことのない戦いに没頭する修羅達の事は少しだけ忘れて、地獄の門の情報を得るため、私を含めた今回の事件に関わっているドクトル・バタフライ達は地獄の中で正気を保っている鵜堂刃衛の尋問に加わることになった。

 

戦骨は左之助さんが押し返しています。頭が出てこようとしていたので踏みつけて、追い返していましたけど。多分、大丈夫ですよね?

 

そうなると予想していたのか。鵜堂刃衛は尋問する相手を指名し、一人は斎藤一、二人目は緋村剣心、そして三人目に私を選んだ。

 

もっと話し合える人はいるのに酷すぎる。

 

「何故、私にも話したと言ったんですか?」

 

「うふ、うふふふ。地獄の鬼すら斬り伏せる悪鬼に頼まれただけだ。『俺の刀を返して貰いに行く。その時、お前も連れて地獄に戻る』とな」

 

「糸色殿、志々雄まで誑かしたでござるか?」

 

「阿呆が、あれほど男を視る目を養えと」

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!私は左之助さん以外となんてッ……コホン、私は夫以外と手も繋いだことが無いんです。いきなり言われても困ります」

 

とんでもない勘違いを引き起こそうとする緋村剣心と斎藤一の二人の言葉を遮り、変な事を言った鵜堂刃衛にも「変な事を言うなら帰りますよ」と伝える。

 

しかし、彼は楽しそうに私を嘲笑う。

 

そもそも非戦闘員の私を呼ぶのは間違っていると思うんです。確かに変わった能力はありますけど、簡単に言えば記憶力の良さとご飯を美味しく作るだけの能力しかありませんからね?

 

「御託はもう良いだろう。地獄の門は何処に現れるのかを素直に応えろ。緋村の義父に取り憑いている悪霊をあの世に叩き戻すまでコイツらは帰らんのだ」

 

「おい。拙者達に不満でもあるのか」

 

「当たり前だろう。貴様など不要だ、プー太郎」

 

「ぷ、プー太郎!?」

 

まあ、ニート侍と言われていますし。働くにしても出稽古の相手を務め、神谷流の知名を上げつつ、悪漢退治をしているだけです。

 

「(実質ニートでは?これが明治の亭主関白!)」

 

「うふふ、顔に出やすい女だな」

 

「拙者、そんな風に思われているでござるか」

 

「素直にお前も働けば良いだろう。相楽に頼めば仕事をくれるんじゃないか?」

 

…………いつの間にか尋問する相手を緋村剣心にすり替えている。鵜堂刃衛の策略でしょうか?と首を傾げつつ、志々雄真実の事を訊ねると「アイツなら既に出てきているさ。お前達は気づいていないようだがな」と意味深な言葉を呟き、高笑いを始めた。

 

もう既に黄泉還っている。

 

それなら何故攻めてこないのだろうか。

 

 

 

 

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