某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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悪鬼、黄泉還る 破

「何だ、テメェはッ?!」

 

「オレは戦骨だ!」

 

右手を失っている志々雄真実の左手を掴んだ戦骨は志々雄真実の首を掴み、プロレスで言うところのロックアップを決め、そのまま露出した鉢金に向かって頭突きを叩きつけ、血飛沫を振り撒いた。

 

や、やっぱり、根本的に戦骨は考え方が私やドクトル・バタフライなど平和な……平和な?明治時代に生まれ変わった転生者とはやることも何もかもが異なり、彼は純粋に殺し合いを楽しんでいます。

 

「もういっちょォ…!」

 

ガギンッ!と鈍い音を立てて砕ける鉢金に私は引き釣った笑みを浮かべつつ、私を助けてくれたしとりの事を抱っこするように抱き締める。

 

その間も志々雄真実の左手を掴んだまま戦骨は頭突きを繰り返し、通算二十六回の頭突きを越えたところで戦骨は志々雄真実の左手を離し、血塗れの髪の毛を掻き上げ、楽しそうに笑みを向ける。

 

「良いなァ…!強い奴は好きだ、左之助と景には会ったことはあるが、他の連中もオレ並みに強そうで魂が震えるほどに最高に興奮してきた!!」

 

「その余裕がいつまで続くか、試してやる!」

 

そう言うと戦骨は地面を蹴り、志々雄真実に襲い掛かっていき、無造作に転がっている右手を拾った彼は力任せに右手を接合し、燃え盛る刀を戦骨に振りかざす。が、戦骨は燃えようと斬られようと気にせず、真っ直ぐに突き進み、志々雄真実を殴り飛ばした。

 

「話には聞いていたが、まさかあんなに野蛮な人間だったとは予想外すぎるものだね。あと修羅達の羨望の眼差しを一身に集めているよ、彼」

 

「え?ひぃっ!?」

 

ズラリと並んだお歴々の視線は燦々と煌々と光り、焼けても斬れても穿たれても怯まない戦骨に注がれ、彼の戦い方に興奮しているようにも見える。

 

ちょっとだけ距離を取っておきましょう。

 

「景、アイツってあんなんだったか?」

 

「……少なくとも戦国時代の彼はもっと理性的だったとは思いますけど。ススハムさんはどう思いますか?一度、お会いしていますし」

 

「どうって言われてもアイツの強さと精神のズレ以外に何があるのよ。無理に力をセーブしているから、あんな風になってるのよ」

 

あれで手加減している?というススハムの言葉に私は戦慄し、あれだけ激しく殴り合い、切り裂かれる戦骨に本当に恐怖してしまう。

 

あの人は、本当に人間じゃないの?

 

いえ、そもそも戦骨には人間としての恐怖を感じる感覚はなく、あそこまで前進できるのは完全に修羅の領域に踏み込んでしまっている。

 

あれはもう羅刹です。

 

武器を振るう悪鬼です。

 

 

 

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