左之助さんも地獄の門の調査に加わる時間も増えて、しとりや個魔の方と一緒にいることが増して、なんだか寂しいと思う反面、昔のように生き生きとした左之助さんの姿に自然と私も笑顔になる。
ただ、お仕事のためとはいえ清国の女性と楽しそうに話す姿を見ているとモヤモヤします。浮気なんて絶対にしないと分かっているのに、左之助さんはカッコいいから女の人の注目を集めてしまう。
「ん!どーしたの?」
「フフ、何でもないですよぉ?」
にっこりと私はお膝に頭を乗せて寝転んでいるしとりの頭を優しく撫でてあげる。お腹の子はまだ小さいから動いたのかも分かりませんが、しとりはこうして顔や頭を近づけて話しかけてくれます。
とても良い子でお母さんは嬉しいです。───けれど、左之助さんはまだ剣路君の事を警戒していて、あまり薫さんにも会えていない。
私だけなら良いのに薫さんまで巻き込んでしまい、とても申し訳ない気持ちになるものの、どうしても不安になるのは恵さんです。
私と同じで戦える力はありませんし、あまり派手に巻き込んでしまうと彼女の今後の生活にも影響を与えるかも知れないという不安を考えてしまう。
「ん!ん!」
「し、しとり?」
「母ちゃんもねる!」
「え、えぇ?」
いきなり、そう言ってきたしとりに居間の端の火鉢の近くまで手を引かれて、ドンと親分の近くに座るなり私に抱きついて彼女は目を瞑る。
ポンポンと彼女の背中を優しく撫でるように触り、私も彼女の子供特有のポカポカした温かさに、ほうっとしながら私も目を瞑る前に半纏を脱ぎ、小さく寝息を立て始めたしとりに掛けてあげる。
「お休みなさい、しとり」
私も眼鏡を外して目を瞑ってしとりの背中を優しく撫でていると私としとりの身体に毛布が掛けられた。きっと個魔の方だろうと思う。
こうしてお昼に寝るのは随分と懐かしく感じる。いつも仕事と炊事洗濯に加えて、転生者サイドの地獄の門の調査を纏めていますから、少しだけお休みします。
「……(いえ、むしろ休まずに何かをする方が危ないのでちょうど良かったと考えるべきですね。流石はしとり、とても良い子です)」
「ドン、親分、あまり近寄っちゃダメよ。折角、二人でお休みしているんだからさ」
小さく聞こえないように話す個魔の方の声にクスリと笑ってしまった。いえ、まだ眠っていないのだからこれで安眠に向かっていけるはずです。
「個魔の方も一緒に寝ますか?」
「いや、私は良いさ。寝るより見ていたい」
フフ、変なのぉ……。