「また騒動のど真ん中にいるわね」
「えと、そうですね。あはは…」
夕御飯の食材の買い物の途中、取れ立ての山菜を届けるために来てくれたススハムの言葉に返す言葉も見つからず、苦笑いを浮かべているとしとりが誰かに抱き付いているのが見えた。
病的に白い肌と
「貴女が、武藤君の言っていた賛さん?」
「はい。そうです、高祖母様」
高祖母、五代か六代先の子孫になりますね。
…………しかし、どうして蝶人パピヨンはミニスカートタイプの着物を着ているのでしょうか。ドンのじゃれつきに慌てふためく度に、艶かしい色白の足が滅茶苦茶な動きで暴れ、蝶・セクシャルバイオレットな下半身が見えそうになっている。
ようやくドンのじゃれつきから脱け出した彼は「ゼェ…ゼェ…!」と何度も荒い呼吸を繰り返しながら、小さくて可愛い眼鏡の女の子に話し掛ける。
賛さんは物静かで優しそうな雰囲気ですけど。
どこか左之助さんの様な感じもしますね。
「高祖母様、お返ししますね」
「ん!おかえし!」
「フフ、お返しされましたねえ?」
私に両手を伸ばすしとりを抱き締めて、ゆっくりと地面に下ろしてあげるとドンも駆け寄ってくるなり、しとりに頭を撫でてもらっている。
やはり動物と触れ合うしとりは可愛いですね。
岩息舞治に続いて、こうも同時期に変態さんが現れるとなると不安になってしまいますね。「ゴールデンカムイ」が開始するまでに、一体どれだけの変態さんに私は出会うことになるのだろうか。
『北海道で変態さんに出会うのは間違っているだろうか』とかそういう感じのタイトルをつけて、もう変態対策用マニュアルでも作ろうかな。
「ん!母ちゃんそっくり!」
「確かに、瓜二つではあるな。一部を除いて」
「お坊っちゃま、破廉恥なのはいけませんよ」
ささっと自分の胸を隠す賛さんの動作に可愛いなと思いながらも二人に「ふたりは左之助さんに会いに来たんですよね。一緒に帰りましょう」と提案する。
「ありがとうございます、高祖母様」
「感謝するぞ、糸色景」
静動の対照的な二人ですけど。武藤君の話していたように、二人は本当に恋仲のようですね、こっそりと小指だけ繋いでいます。
そういうところもあるのですね。
「ん!しとりもほしい!」
「……ホウ。分かるのか、このマスクの良さが」
ただ、そのミニスカートタイプの着物でしとりに近づくのだけはやめてほしいです。なんだか、とても名状しがたい感情が溢れてきます。