我が家の変態比率の上がり具合に物申したく思う反面、みんな体格も良くて文句なんか言ったら襲われるかも知れないと不安になってしまう。
そう思いながら久しぶりに我が家にやって来た斎藤一は大きな風呂敷を左之助さんに差し出して、しとりには金平糖を手渡してくれました。
何気にいつもしとりにお土産をくれます。
「糸色、土産だ」
「……お蕎麦、ですか?」
「年越し蕎麦の余りは要らねえ」
「阿呆が。果物ばかりで栄養が偏る可能性を考えろ、蕎麦なら栄養も高く冷たいものにも温かいものになる。ただ、出汁は飲みすぎるな」
「めおと先生…」
斎藤一が私の身とお腹の子を案じてくれていた事を喜び、今日も何故かやって来た岩息舞治のいる居間へと彼を招き、彼らを出会わせると動きが固まった。
「───貴様、二ヶ月前に極道の喧嘩に割り込んで全員殴り倒していた男か。相楽、糸色達を連れて離れているか、コイツを家の外に追い出せ。罪状は暴行だけだが、鎮圧に向かった警官三十人は今も病院だ」
「あの時の警官さんですか!いやー、お会いできる日を待ち望んでいました。あの時の殴打の感触は相楽さんに勝るとも劣らない極上の美食のように、甘美に肉体に刻まれ、今も尚貴方に受けた殴打の感覚は覚えています」
いきなり、岩息舞治が評論家のように斎藤一のパンチを解説し、左之助さんのパンチと比べ始めた。賛さんとパピヨンは「変態は何処へ行っても変態だな」と感心していますけど。
そういう貴方も変態さんでしょう。
私は良い奥さんなので口に出して言うことはなかったものの、賛さんは私の言いたいことを理解しているらしく、ジッと私の事を見つめている。
事実なので仕方ない。
「……景としとりは離れてろ。岩息、喧嘩するのは仕方ねえかもしれねえが悪いことをしたら反省するもんだ。それに刑務所に行きゃ合法的に喧嘩が出来るだろう?」
「相楽さん、さては天才ですね?」
「阿呆が二人もいるな」
左之助さんは阿呆じゃないです。たとえ阿呆だったとしても馬鹿な子ほど可愛いと言うじゃないですか、私は左之助さんが馬鹿でも大好きです。
「相楽、今晩空いているなら飯屋に付き合え。三馬鹿の事で話しておきたい事がある」
「……東京での一件か?」
「それもあるが、抜刀斎絡みだ」
その言葉に首を傾げる賛さん達と違い、私は剣客兵器の騒動のときに出てこなかった集団を思い出した。闇乃武。かつて人斬り抜刀斎になる以前、維新志士の遊撃を務めていた緋村剣心を追い詰めた組織だ。
それが、また動き出した。
「(本当に怖いことばかりで嫌になる……)」