岩息舞治、無事に……無事に?まあ、こういう小さな、小さいのかな?な出来事も未来で始まる「ゴールデンカムイ」のお話に続いていると考えれば多少なりとも納得することは出来ます。
ただ、収監初日に全区画制覇を宣言するの如何なものかと思う。斎藤一と永倉新八も面会を拒む犬童四郎助に何やら脅しを行ったとドクトル・バタフライに聴き、二人の土方歳三に対する重い感情に思わず苦笑する。
私も人の事は言えないですけど。
「左之助さん、お蕎麦美味しいですね」
「ああ、美味いな」
「ん!おかわり!!」
小さなお椀を元気良く差し出すしとりの笑顔を見て、クスクスと笑ってしまう。頬っぺたに青ネギの輪切りをつけた彼女はとても可愛い。
「しとり、頬にネギついてるぞ」
「ん?ん!」
「いや、笑顔じゃなくてな?」
ずいっと笑顔のまま左之助さんに顔を近付けるしとりに戸惑いつつ、ネギを取って上げた左之助さんは、そのままネギの輪切りをしとりに食べさせる。
二人の他愛ないやり取りを眺めるのを一旦とめて、お蕎麦を茹でるために網杓子(湯切り用のザル)に斎藤一の持ってきてくれたお蕎麦を入れ、お湯の中に落とす。
賛さんとパピヨンも食べれば良いんですけど。
二人とも長谷川君達の仕事を見に行ったり、強さを高めるためにドクトル・バタフライのところで不破信二に再戦を申し込んでいるみたいです。
私の子孫はバトルジャンキー過ぎますね。
そう思いながら湯切りしたお蕎麦をお椀に移し、お出汁を入れてネギの輪切り、油揚げとカマボコを足して居間に運ぶとしとりが左之助さんの膝の上に座っていた。
すごく羨ましい。まあ、しとりは私と左之助さんの大切で大事な愛娘ですから、こうして触れ合えるのは私達にとって幸せなことです。
「フフ、おかわりです」
「ん!いただきます!!」
しとりはそう言うと両の手を合わせて、ふうふうと熱いお蕎麦に息を吹き掛けて小さな口で麺を啜る。文鎮で固定した和紙にドクトル・バタフライのくれた万年筆で彼女の事を模写していく。
もう左之助さんは錦絵も会わせたら二千七百二十一枚。しとりは千百四十七枚も描いてしまいました。私って自分で思っている以上に欲深く愛情の重い性格なのかもしれませんね。
愛しくて、愛しくて、愛しくて、仕方がない。
お腹のやや子も元気に産まれてくれるだけで私はもっと幸せです。なんだか私はまた「特典」の影響を受けて変に思考を歪めている気もしますけど。
「ん!おかわり!」
「もう四杯目なのでダメです。しとりがお腹を痛くしたらお母さんは悲しいんです」
「むう…」
可愛く唸っても食べ過ぎは要注意です!