某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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元・闇乃武の旭さん 序

闇乃武の内情を不本意で不名誉ながらも私達に教えてくれる久保田さん曰く「今の闇乃武を取り仕切っているのは佐古とばばあだけど。〝元〟闇乃武の男が来てから内情は少し分裂しているかな」とのことだそうです。

 

今の闇乃武の元締めに反して、昔の闇乃武に所属していた人間に鞍替えした新派もいる訳ですが、原作の事を思い返すと思い浮かぶのは二名だけ。

 

ただ、どちらも左之助さんと斎藤一によって見せ場を貰えることなく物凄く簡単に倒されていた。それを恨んでの行動かもしれませんね。

 

賛さんとパピヨンも来ているのに面倒事に巻き込んでしまい、申し訳ないですが、この明治時代はとにもかくにも面倒事に巻き込まれます。

 

「左之助さん、左之助さん」

 

「どうかしたのか?」

 

「彼方に東京で左之助さんの真似事をしていた方々がいますよ。場所を変えてまた左之助さんのふりをして悪さをするつもりのようです」

 

「ぶん殴って来るから待っててくれ」

 

「はい。お待ちしてます」

 

「ん!しとりもまってう!」

 

私としとりは町の人にカツアゲをして、次の獲物を探そうと顔を上げた瞬間、満面の笑みを浮かべて仁王立ちする左之助さんと出会ってしまった彼らに黙祷を捧げる。

 

顔面蒼白で逃げ出そうとしたところを結局は捕まってしまい、思いっきり凄いパンチを受けて吹っ飛ばされる彼らを遠くから見つめる。

 

「ん!たろちゃん!」

 

「長谷川君ですか?」

 

嬉しそうに指差して、大きく手を振り始めるしとりの袖を押さえてあげる。フフ、しとりは女の子なんですからお肌を見せちゃダメですよ?

 

「しとりと景姉ちゃんじゃん。どうした?」

 

「おさんぽ!」

 

「家族でのお散歩ですねえ、左之助さんは彼方で偽者を退治していますよ」

 

「シャチョー、無駄に強いしねえ~っ」

 

「分かる。無駄に強いやな」

 

「旭も明日郎も辛辣すぎるよ。確かに社長は喧嘩の腕っぷしは化け物みたいに強いけど。あんな外国にいるっていう巨大な猿、大猩々(ゴリラ)みたいに木々を折り、岩を砕き、森を支配する怪力だからって、あんまり口に出すものじゃないよ?」

 

井上君が一番辛辣なのでは?

 

そう思いながらも久保田さんと長谷川君は私達の傍に移動し、左之助さんが自分の真後ろにいることにも気付かず、ゴリラの事を話す井上君に、久保田さんと長谷川君は哀れみの視線の眼差しを向けています。

 

「阿爛」

 

「はい。なんですか、しゃ、ちょ…う…」

 

逃げ出す井上君。しかし、左之助さんの妖怪を圧倒するスピードには敵わず、何やら弁明と助けを求める声が聴こえるけど。

 

長谷川君と久保田さんは顔を逸らしています。

 

「す、すみませぇーん!!明日郎と旭も社長の事をアホみたいに力の強い大猩々(ゴリラ)とか無駄に馬鹿力だから相手する此方が困るって言ってましたあっ!!」

 

「「ふざけんな!?」」

 

「ん!なかよし!!」

 

なかよし?仲良しですね、うん。

 

 

 

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