某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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渡る世間は 急

幻想虎徹。あくまで仮名としての名前を与えてしまった剣の柄は嬉しそうに身体を動かしている。動かし……動かしている?うん、剣の柄をくねらせ、動いている。私は何を見ているのでしょうか。

 

「しかし、気狂いな人間もいるものだね。虎徹君、私は人間態の君も見てみたいが、それは君の矜持に反することだろう。だが、出来るだけ平穏に頼むよ」

 

「任せておけ。この刃は人を守るためにある」

 

声は良いんですよ、声はね。

 

「虎徹さんは『侍戦隊シンケンジャー』について知っていることはありますか?」

 

「ない。外道とかそういうのを斬れば良いのは何となく理解しているだけだ。そもそも戦う方法も俺は身体を振り回して貰うことだ」

 

「桐さんは剣術の方は?」

 

「使えない。サポートはしているが、ほぼ力任せに振り回すか突き刺すことばかりだ。くっ、桐の保護者としてはもっとカッコいい剣術を使わせたい!」

 

その言葉に私とドクトル・バタフライは顔を見合わせ、誰に押し付けるべきなのかを理解しました。ごめんなさい、姿お兄様。許して下さい、鎌足お義姉様。私達の手に負えない相手を押しつけてしまいます。

 

武器収集が趣味のお兄様であれば、きっと喜んで頂けるとは思います。でも、桐さんから幻想虎徹を奪うことは止めて上げて下さいね。

 

静かに、私は兄夫婦に謝罪の言葉を思う。

 

「虎徹さん、こちらの住所に行けば明治最強の剣客に会えると思います。一応、私からの紹介状を書いておきますね」

 

「助かる」

 

まあ、此方としても助かります。

 

「起きろ、ヴァカめ!」

 

「ぶへっ?!何するんですかお師匠ぉー!!」

 

ゴスンと鈍い音を立てて振り下ろされた剣の柄は桐さんの後頭部を叩き、ドクトル・バタフライの能力で眠っていた彼女を強制的に起こす。

 

転生者にもこういう関係もあるんですね。

 

私は自分が生まれ変わった事を話すつもりはありませんが、彼らの様に生き続けているのなら、それぐらい話していてもおかしくないのかも知れない。

 

……流石に私は左之助さんのパンチを受けたら一撃で死んじゃうかも知りませんが、桐さんと幻想虎徹の関係は今後とも良好で居て欲しいです。

 

「一先ず、私の研究所を一晩貸そう。糸色君も突然の出来事に巻き込まれて大変だったろう、身体を暖かくして安静にして眠るように」

 

「はい。また、今度です」

 

ヒラヒラと片手を振って三人を見送り、私は居間の戸を開け、寝室の方で遊んでいる左之助さんとしとりに近づき、ぎゅうっと二人を抱き締める。

 

流石に、今回はお相手するのに疲れました、

 

 

 




【概要用語解説】

本作の単語や転生者に関する事を解説します。


【転生者の原則】

転生者は原則として「物語」に一人だけ。

憑依又は成り代わり等、他者の肉体に乗り移る事を望んだ場合、その人物(キャラクター)の進むべき正史世界の道筋を完璧に遂行しなければいけない。原作乖離、その人物の行動を変える動きを起こす際、強制的に「物語」の最初に戻り、また原作終了まで再送を繰り返す事。

「特典」は個人差有り。最低「一つ」まで。

【統一された世界】

転生者「ドクトル・バタフライ」の『特典』によって構築・拡大を続けている世界。本筋は「るろうに剣心」および「武装錬金」など。しかし、現在は多数の転生者による世界拡大の影響を受け、その後の歴史に転生者は出現する様に世界は書き変わりつつ有る。

現在、糸色景の存命中に統一化している原作「戦国の三日月」「るろうに剣心」「武装錬金」「GUN BLAZE WEST」「エンバーミング」「犬夜叉」「うしおととら」「からくりサーカス」「ゴールデンカムイ」「侍戦隊シンケンジャー」等々。


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