左之助さんと再会出来たことを喜ぶのも束の間、私と左之助さんは志々雄真実一派の剣客から情報を得るという斎藤一の後ろを付いて歩く。
ただ斎藤一としては私の素顔や居場所を相手に教えることは避けたかったけれど。慌ただしく警察署に向かう女の姿を何人も目撃しているため、もはや私の居場所を隠すことは不可能と言われてしまった。
不服そうに斎藤一は鉄製の扉を開けると上半身に包帯を巻き付けた痛々しく、顔や身体に打撲傷や刀傷のついた見た目の男が私達を出迎える。
「なんや、今日は女連れとはムカつくな」
「お前達の探している女だ」
「コイツが糸色なんか!?」
金髪の髪の毛を逆立てた男沢下条張に私の事をいきなり話す斎藤一に思わず、驚愕の視線を向けてしまう。……いや、ここだと隠す必要性はないわね。
地下に建設された牢屋の一番奥であり、逃げるには真っ正面に立つ分厚く内側にドアノブの付いていない鉄製の扉を開けるのは怪我人には不可能だ。
「はあぁ~~っ、偉いちんまいな。ワイの想像やと背丈の高い美人やったんやけど。いや、ワイの好みやないだけで十分に美人さんなんやで?」
「随分と饒舌に口説いているが止めておけ」
「阿呆抜かせ、美人見たら口説くやろ!?」
「その女は隣のヤツのコレだ」
「おう。手ェ出したらぶっ殺すぞ」
そう言うと斎藤一はいつぞや神谷さんがやっていたように左手の親指を突き立て、ピコピコと動かし始める。わ、私の中にあった斎藤一はクールというイメージが崩壊しそうになるけど。
でも、斎藤一にも左之助さんの妻だって認知されるのは嬉しいかも知れない。こ、これからも良妻を目指して頑張らなくちゃ…!
「こ、こないな美人さんがトリ頭の嫁?」
何気にショックを受ける沢下条張の姿を見て、かなりご機嫌を良くしている斎藤一に「お前、わりと誰かを虐めるの好きなヤツだろ」と左之助さんが突っ込んだ。
「カァーーッ、めっちゃムカつくわァ!?」
「一々喚く前に質問に答えろ」
沢下条張の独り身の辛さを嘆く叫びをバッサリと切り捨てた斎藤一。そういえばこの人も結婚しているんだよね……ふ、夫婦円満の秘訣とか教えてくれるかな?
「……チッ。久しぶりに美人に会えたさかい。
「意外と物分かりの良いヤツだな」
「じゃかまわしいわ、トリ頭が!なんでお前みたいなんにそないに美人な姉ちゃんが嫁になんねん!あれか!?歳上狙いの変態なんか!!?」
「阿呆が。ソイツは十五の小娘だ」
「景はオレより年下だぜ」
「……うそぉん……」
えっと、ごめんなさいって言えばいいのかな?