ドクトル・バタフライは研究所に集まっていたビスクドールを一つ残らず集めるとチャフで粉々に破壊した瞬間、武装錬金は核鉄に強制的に戻された。
結局、どういう能力だったのだろうか。
そう素朴な疑問を抱いているものの、本当に知ろうとは思えない。だって、しとりを狙っていた相手の武装錬金ですから絶対に怪しい。
私は絶対に近付いて調べません。ドクトル・バタフライも直接触らず、チャフを介して調べているのでそれが正解なのでしょう。
「糸色君、大事には到ってないね?」
「はい。私達は無事です」
「それならば問題ないが、どうやら彼らは君達の事を信奉者と考えているようだ。全く、人の友好関係を主従の間柄と決め付けるなど最低の行為だ」
「フフ、そうですね」
「ん!どくとう、ともだち!」
「うむ、私はずっと糸色君達のお友達だ」
そう言ってドクトル・バタフライと笑っていたとき、私達の家を覗いていた男が現れると同時に核鉄を構えた刹那、その横面に裏拳が叩き込まれた。
風呂敷を持った斎藤一が拳の血を払う。
「阿呆が。警官が婦女暴行を見逃すと思うか」
「老人暴行も加えていいぞ」
「老人?お前がただの爺なわけがあるか。糸色、また入院すると聴いてきたぞ。妻から腹を暖めておける着物や羽織を預かってきた」
「あ、ありがとうございます」
ぺこりと風呂敷を差し出してくる斎藤一にお礼を言いつつ、核鉄を構えようとする男の人の顎先を掬うように蹴り上げ、核鉄を奪い取ってしまった。
しとりも見ているのでシンプルな暴行は止めてほしいです。ああ、でも私達を助けようとしたくれた訳ですから仕方ないのかな?
この場合は正当防衛になると考えましょう。
多分、私は何も見ていない。
「ん!はじめちゃん、しとりも!」
「しとり、物怖じしないのは良いことだ。だが、他人を警戒せずに近付くのは止めておけ」
「ん!わかった!はじめちゃん!」
「分かっとらんな。阿呆が」
「す、すみません。でも斎藤さんはしとりからすると親しいおじさんみたいなもので、誰でもこんなに抱きついたりしているわけじゃないんです」
「……はあ、二代揃って面倒臭いな」
「ひぃんっ」
呆れたように溜め息を吐かれ、じろりと睨まれてしまい、あまりの怖さに情けない声が漏れる。私だって頑張っているのに酷いです。
「斎藤君、あまり責めるのは」
「分かっている。しとり、もっと大きくなったら努に護身術なり教えて貰うと良い。アイツも
「ん!」
だ。だんだんと交流関係が陸軍の方にも向かっているような気がするのですが、気のせいですよね?