私の安全安心を願って贈り物を送ってくれた薫さんに感謝しながらも「清国のお薬です」という言葉に不安を感じ、粉末状のそれを桶に入れて、ドンに水を掛けて見たところ見事にアヒルに変身していました。
呪泉郷産の温泉の素です。
誰も使用していないから問題ないですけど。
左之助さんに使ってみたいという気持ちもあります。まあ、私はお腹に赤ちゃんがいるので、こんなものを使うつもりはない。
「景、また何処か悪いのか?」
「え?ああ、いえ、これは姿お兄様が女の子に変わったりしていた原因です。ちなみに、アヒル、猫、虎、パンダがありますよ」
「どれも要らん」
「あと、そのアヒルさんはドンです」
「……だから目付きが悪いのか」
その言葉にグワッ!と怒って翼を広げたドンは変身した直後だというのに、軽やかに左之助さんの背後に回り込み、ドスドスと嘴で彼の頭を突き始める。
「お湯を掛ければ戻りますから、ね?」
ドンを抱っこしてお湯を掛けてあげると元のクズリの姿に戻り、トタトタと脱衣所の体を拭くための手拭いに身体を擦り付け、端を噛むと左之助さんに濡れた手拭いを投げつけて出ていってしまった。
やっぱり、転生者なのでは?
そう思いながら濡れた着物を着替えるために、一枚目を脱いで脱衣所に用意していたものに着替える。左之助さんが何かを言いたそうにしているけど。
夫婦なので、夫婦なので良いのです!!
フンスと胸を張って自答する。
「あ、左之助さん、しとりには内緒ですよ?」
「ん?おう、分かった」
桶に水を満たして床の水を洗い流す左之助さんは頷きつつ、右手に呪泉郷の素を握り締め、ウサギの絵柄を静かに見つめている。
ウサギを食べたいのでしょうか?と考えつつ、帯を緩めに締めてドンの後を追いかける。しっかりと乾かさないと風邪を引いてしまいますからね。
「……火鉢に抱きついてる……」
「マジで妖怪か何かだろコイツ」
「動物、ですよ、たぶん」
あまり自信を持って言えないものの、やっぱり妖怪か転生者なのだろうかと思う。けど、どうしても妖怪には思えないんですよね。
況してや、ドンは転生者というわけでもない。
「ん!ドンいた!」
「あっ、おかえ、り……?」
「妖怪に好かれてるのは知ってるが、そんな武者みたいな妖怪は拾ってくるのは止めとけ?父ちゃん、どうしたら良いのか分かんねえから」
青と黒の鎧姿の人影。
「ジッパ!」
「ん!じっぱ!」
どうして、こんなところに牙鬼軍団の戦闘員「ヒトカラゲ」が居るのでしょうね。この前、シンケンジャーが居ることが分かったばかりなのに、まさか他の「スーパー戦隊」とも繋がっている……?