某剣客浪漫世界で私は物書きをする。   作:SUN'S

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贈り物にはご注意を 急

ヒトカラゲに戦骨と牙鬼幻月の封印された千年パズルを預けて、もう数日ほど経過しているけれど。牙鬼幻月が復活する予兆は見えず、やはり封印を解くには何かしら方法がいるのでしょう。

 

しとりは新しく出来たお友達に会えず、寂しそうです。もう少しだけ一緒に居るために千年パズルを差し出すのは止めておけば良かったですね。

 

「しとり、お母さんと遊びますか?」

 

「ん!あそぶ!」

 

私の言葉に嬉しそうに親分の毛並みを整えていたしとりは立ち上がる抱き着こうとしたものの、お腹の子の事を心配して抱き着くのではなく手を握ってくれた。

 

とても可愛いです、キュートです。

 

「何をして遊びましょうか」

 

「えとね、えとね、あれしたい!」

 

ウーンと彼女の頭を優しく撫でながら考え込んでいると、しとりは窓の方を指差す。雪は少しずつ解けて、地面も見えているけれど。

 

ところどころにまだ泥濘はあります。

 

ですが、寒いからとお家の中に引きこもっているのは元気な子供には退屈ですよね。それなら、お母さんも少しだけ頑張りましょう。

 

「よし、私も行きます」

 

「んー!ちがう、これ!」

 

フルフルと軽く頭を横に振ったしとりは私の手をゆっくりと離して、そのま窓の方──ではなく、私の座っているベッド脇の小さな箪笥に置かれたショドウフォンを手に取って、にぱっと可愛く笑った。

 

しかし、どうしましょうか。

 

ショドウフォンを使えば外道衆の注目を集めてしまうし、もしかしたら志葉家の方々も怪しんで、北海道にやって来るかも知れない。

 

「母ちゃん、だめ?」

 

「フフ、今日だけですよ?」

 

「ん!」

 

しとりの笑顔のためなら、お母さんは怖くても頑張ります。ちょっとだけ使うだけです、ヒトカラゲのようにしとりが拾って来なければ良いだけ。

 

「しとりは何を描いて欲しいですか?」

 

「ん!どん!」

 

そう言うとしとりは病室の火鉢に身体を寄せているドンを指差し、ドンは身体を丸めて寒さに抗って、火鉢の温かさを独り占めしています。

 

一筆奏上(いっぴつそうじょう)……いえ、揮毫敷奏(きごうふそう)ですかね?」

 

揮毫は字や絵を書く意味。敷奏は奏上と同じ申し上げるという義語ですが、こうして考えると中々に同じ意味を持つ言葉は多いですね。

 

首領と書いてドンと読み、火鉢に身体を近づけていたドンはモヂカラによって私の腰掛けている布団の上に召喚され、ものすごく不服そうです。

 

まあ、これもしとりのためです。

 

あとでご飯の量を増やしてもらえるようにドクトル・バタフライにも言ってあげるので、もう少しだけ私としとりの遊びに付き合って下さいね。

 

 

 

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